2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12680409
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
木村 春彦 金沢大学, 工学部, 教授 (60141371)
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Keywords | センサエージェント / ニオイセンサ / ガスセンサ / 遺伝的アルゴリズム / 人間の活動検知 |
Research Abstract |
1.センサエージェントによる空気汚染方向の推定を可能にした。複数のニオイセンサからの情報をコンピュータで処理し、自律して種々の高度な判断や同定を行うセンサエージェントを考え、それらエージェントがネットワークを介してコミュニケーションすることで汚染の方向を推定する方法を提案した。 2.複数のガスセンサを用いてガス発生源の逆探知を行う方法を開発した。対象空間のガス伝搬関数f(x)を求め、f(x)の逆関数を用いてセンサ位置から発生源を求めたものである。 3.遺伝的アルゴリズム(GA)を用いて、室内に設置した可燃性ガスセンサの出力信号から、室内における各ガス発生源ごとのガス濃度変化信号の推定と、それらの合成信号である事象信号の推定を行う手法を提案した。また、実際に人間が生活する室内空間にガスセンサを配置し、そのセンサ出力信号から、提案手法を適用して得られた推定濃度変化信号と推定事象信号が、人の行動に概ね対応していることを示した。更に、センサ出力信号にノイズ等の成分が含まれていても、ロバストに適切な信号推定が行うことができ、本提案手法がガスセンサを用いた人間の活動検知に有効であることを示した。 4.ガスセンサ応答信号から、室内に設置されたガス発生源(石油ストーブやガスレンジなど)の稼働状態の紬出を試みた。ガス発生源の稼働情報を抽出するためには、室内のガス濃度を測定するだけでなく、それぞれのガス発生源ごとに個別にガス濃度を推定する必要がある。つまり、ガスセンサの応答信号からガス発生源毎の濃度信号(成分信号と呼ぶ)へ分離を行う必要がある。本研究では、GAを用いて、ガス発生源の成分信号の適切な組合せを発見するための手法を提案した。また、計算機シミュレーションにより提案手法による成分信号分離の一意性とロバスト性を検証した。また、実際に一般家庭の室内空間における実測実験を行いガス発生源の稼働情報を抽出できることを示した。室内におけるガス発生源の稼働状態を知ることは、室内の環境変化を認知するだけでなく、人間の活動パターン認知へとつながると考えられる。近年増加している独居老人世帯をはじめとする様々な室内環境認知を行う知的センサシステムの構築に対し、本研究の有効性が期待できる。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 林貴宏,木村春彦,大薮多可志: "遺伝的アルゴリズムを用いたガスセンサ観測信号からの人間の活動検知"電子情報通信学会論文誌A. vol.J83-A,no.4. 412-422 (2000)
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[Publications] T.Nishikawa,T.Hayashi,H.Nambo,H.Kimura,T.Oyabu: "Feature Extraction of Multi Gas Sensor Responses Using Genetic Algorithm"Sensors and Actuators,B. vol.64,no.1. 2-7 (2000)
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[Publications] T.Oyabu,T.Onodera,H.Kimura,T.Katsube: "Characteristics of Tin Oxide Gas Sensors for Human Vital Signs during Sleep"Sensors and Materials. vol.12,no.1. 25-34 (2000)
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[Publications] Y.Nakamoto,T.Oyabu,H.Kimura: "Prediction of Comfortable Index Using Membership Function on Gas Sensor Cbaracteristics"Proceedings, 4th International Conference on Engineering Design and Automation. 888-891 (2000)
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[Publications] T.Oyabu,T.Misawa,H.Kimura,H.NANTO: "Proposition of Sensor Agent for Estimation of Air-Pollution Direction and Its Experimental Simulation"Materials Science & Engineering CIZ : Biomimetic Materials, Sensors and Systems. C12. 89-95 (2000)
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[Publications] 林貴宏,木村春彦,大薮多可志,西川龍彦: "GAによるガスセンサ応答からの室内ガス発生源稼働情報の抽出"電気学会論文誌E. vol.120-E,no.11. 533-542 (2000)
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[Publications] Y.Nakamoto,T.Oyabu,Y.Ueda,S.Furukawa,H.Kimura: "Estimation of Effective Comfortable Index Using Room Temperature and Humidity"The Third Asia-Pacific Conference on Industrial Engineering and Management Systems. 623-627 (2000)
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[Publications] 中本義徳,大薮多可志、木村春彦: "室内温熱指標が酸化スズ系ガスセンサに与える影響とその出力予測"電気学会論文誌E. vol.121-E,no.1. (2001)