2000 Fiscal Year Annual Research Report
パラメータの逐次推定に基づく確率動的計画法に関する研究
Project/Area Number |
12680448
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Research Institution | Kobe University of Commerce |
Principal Investigator |
木庭 淳 神戸商科大学, 商経学部, 助教授 (90177882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉置 光司 愛知大学, 経営学部, 教授 (40121876)
菊田 健作 神戸商科大学, 商経学部, 教授 (30126487)
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Keywords | dynamic table(動的な表) / dynamic programing(動的計画法) / 最適戦略 / オンラインアルゴリズム / 插入・削除リクエスト / メモリの使用効率 / ならし解析 / データ構造 |
Research Abstract |
本年度はモデル構築について大部分の時間を費やして入念な文献調査を行い、2000年秋までに新しいモデル構築を完成した。さらに2001年春には動的計画法を用いた解析を7割方終え、今後はオペレーションズリサーチ学会等において発表および雑誌への投稿を行う予定である。具体的に取り組んでいるのは、要素の挿入および削除を要求する2種類のリクエスト列に対してコンピュータのメモリに動的に表を割り当てる問題である。表がいっぱいになると新しい大きな領域を割り当て、それまでの要素を移動する。また逆に表のサイズに対して要素数が少なくなり過ぎると、できるだけ効率的に表を利用したいので、より小さいサイズの領域を確保してそこに要素を移す。このときどの時点で表の拡大・縮小を行うべきかについて動的計画法を用いた分析を行い、モデルの環境下における最適な時点に関する結果が得られた。すなわち表を拡大する場合は要素が表いっぱいに満たされるまで新しい領域を確保して移動する必要はなく、縮小する場合は要素数がコピーのコストCと効率度Rの比のある関数で与えられる値以下となった場合に行えばよいことが分かった。従来この問題はならし解析と呼ばれるアルゴリズムの評価の手法によって分析が行われていたが、確率動的計画問題として解くことにより、さらに精密な結果が得られた。 今後の発展的課題としてはリクエストが複数個の要素の挿入・削除があり得る場合の評価、いくつか先のリクエストも分かるという条件のもとでの評価、あるいは挿入リクエストと削除リクエストの確率が分からない場合の評価についても考察する必要がある。
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