2000 Fiscal Year Annual Research Report
不均一密度磁化プラズマ中における単極ドリフト渦の動的性質の研究
Project/Area Number |
12680478
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
佐伯 紘一 静岡大学, 理学部, 教授 (90005546)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天岸 祥光 静岡大学, 理学部, 教授 (10042409)
|
Keywords | 不均一密度プラズマ / ドリフト波 / ドリフト波渦 / 単極渦 / プラズマ閉じ込め / 電子反磁性ドリフト / 異常輸送 |
Research Abstract |
1)現有の磁化プラズマ装置中に,酸化物電極を用いて電子のボルツマン平衡を維持した不均一密度磁化プラズマを生成した.平成12年度に購入した設備備品であるターボ分子ポンプにより真空を維持できるようになったため,酸化物陰極は油による汚染がなく長時間安定に動作させることができた。 2)得られた放電プラズマを磁場に垂直方向に拡散させ、プラズマ端において酸化物陰極に接触させ,酸化物陰極から磁力線に沿って電子を補給し,電子のボルツマン平衡が成立した,磁場に垂直方向に密度勾配をもつプラズマを安定に生成することができた. 3)得られた不均一密度磁化プラズマの安定性が確保されたため,ドリフト波および単極ドリフト波を励起したところ,再現性の良いデータが得られるようになった。 4)プラズマ端に配置した2次元多点プローブからの信号をコンピュターに取りこみ,伝播方向位置-時間からなる平面上にプラズマ密度の等高線を描かせ,同位相の点の速度よりドリフト波の位相速度を求めたところ,予想される分散式と見事に一致し,ドリフト波の線形伝播に関する理論的な裏づけを得ることができた。 5)同じ2次元多点プローブにより得られたプラズマ密度信号を,前回の科研費で購入した180チャンネルのデジタイザーを介して取り込み、磁場に垂直な平面上に密度の等高線を描かせることにより,非線形ドリフト波,特に単極ドリフト波渦を観測した。観測された単極ドリフト渦は,伝播するにしたがい,渦の後方に短波長のウエイクを放出しながら伝播することを見事に実証することができた。現在,分散性による渦強度の減衰を観測中である。 6)次年度は,渦の寿命、密度勾配方向の渦のドリフトなどに着目した観測を新たに試み,かつ得られた実験データを、前述したHortonやRasmussenらの単極ドリフト渦理論やシミュレーション結果と比較検討したい.
|
-
[Publications] Koichi Saeki: "Efficient Electron Heating due to the Coupling between Low-Frequency Trivelpiece-Gould Modes and Ions in a Plasma"Proceedings of International Congress on Plasma Physics. Vol.1. 224-227 (2000)
-
[Publications] 佐伯紘一: "ドリフト波の渦"プラズマ・核融合学会誌. 77巻4号. 9 (2001)