ラグランジュ的ジャイロ運動論に基づく新古典・乱流輸送理論

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12680497
• Research Institution: National Institute for Fusion Science
• Principal Investigator: 洲鎌 英雄 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (80202125)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 渡邉 智彦 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 助手 (30260053)
• Keywords: ラグランジュ的ジャイロ運動論 / 新古典輸送 / 乱流輸送 / 微視的不安定性 / ITGモード

Research Abstract

ジャイロ運動論的に基づき、ITGモードの周波数、成長率、モード構造のプラズマパラメーター依存性をヘリカル系トーラス磁場配位において調べた。バルーニング表示を用いて、イオン・ジャイロ運動論的方程式、断熱電子及び電荷準中性条件から線形運動論的ITGモードの積分方程式が得られる。この積分方程式にLHDに対する多重ヘリシティー磁場強度モデルを用いて、ヘリカル系プラズマにおけるITGモードの固有周波数、成長率及びモード構造(固有関数)数値的に求め、多重ヘリシティー磁場構造に対する依存性を調べ、新古典輸送の磁場構造依存性との比較を行った。
磁気面ラベルを独立変数とする従来のオイラー的描像に代わり、粒子軌道のラベルとなる運動の恒量を独立変数とするラグランジュ的運動論に基づき、有限バナナ軌道幅の効果を取り扱うことのできるラグランジュ的新古典輸送理論の研究を行った。先ず、理論の基礎となる粒子軌道の解析を行い、運動の恒量を用いトカマク配位において有限バナナ軌道幅の効果が大きくなる磁気軸近傍の粒子軌道の型の分類を詳細に行った。
無衝突運動論系を記述する流体モデル方程式系を与えるための新しいクロージャーモデルを導出した。3-mode ITG問題にこのクロージャーモデルを取り入れた流体方程式系を用いた結果、その運動論的非線形厳密解を流体モデルにより完全に再現できることが示された。3-mode-ITG問題の運動論的解が持つ振動的振る舞い、初期振幅依存性等が我々のクロージャーモデルを取り入れた流体モデルにより正確に記述された。

Research Products

• [Publications] H.Sugama et al.: "Collisionless kinetic-fluid closure and its application to the three-mode ion temperature gradient driven system"Phys.Plasmas. 8(To be published). (2001)
• [Publications] T.Koroda,H.Sugama, et al.: "Ion Temperature Gradient Modes in Toroidal Helical Plasmas"J.Phys.Soc.Jpn.. 69. 2485-2492 (2000)
• [Publications] G.Rewoldt,H.Sugama, et al.: "Drift mode calculations for the Large Helical Device"Phys.Plasmas. 7. 4942-4947 (2000)