2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12680508
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川端 祐司 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (00224840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田崎 誠司 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (40197348)
日野 正裕 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (70314292)
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Keywords | 中性子光学 / 中性子鏡 / アモルファスカーボン / 冷中性子 / ダイアモンド・ライク・カーボン |
Research Abstract |
現在国内外において、いくつかの大型中性子源計画が進展している。このような中性子ビーム利用施設ではその利用効率向上が重要であり、低速中性子の導出・制御を行うための基本的構成要素である中性子光学機器の開発が必須である。このような要請から、本研究では新型中性子鏡等の開発を進めている。本年度においては具体的に、以下の項目において進展を見た。 1)極冷中性子の効率的導出に必要な原子炉炉心や加速器ターゲット近傍で使用可能な耐放射線性カーボンミラーを完成させることができた。純粋な炭素製であるため、原子炉等に対する安全性が極めて高く、さらに耐照射性能が良いことが特長である。中性子反射性能も満足がいくものであった。さらに、これを利用した場合の中性子取り出し効率性能向上についての評価も行い、良好な結果を得た。 2)中性子ビーム利用の可能性を大きく広げる自由曲面中性子鏡の実用化のため、重水素化ダイアモンドライクカーボン(D-DLC)式中性子鏡を作成した。現在、X線反射及び中性子反射による表面状態及び中性子反射特性の研究を進めている。また加速ヘリウムイオンの前方散乱法により、中性子鏡表面に存在する水素・重水素分布を調べることにより、D-DLCが超冷中性子ボトルや極冷・超冷中性子導管へ応用可能な性質を有しているかどうかを検討する予定である。 3)開発された中性子光学機器評価に利用するため、京都大学研究炉原子炉(KUR)の冷中性子実験孔(CN-3)を汎用実験孔に改造した。改造後のビームラインは、本来の目的ばかりでなく、その優れた汎用性から教育訓練用に適していることも指摘されており、東南アジア地区からも注目されている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Kawabata et al.: "Development of Carbon Neutron Mirror for High Irradiation Field"J.Phys.Soc.Jpn,Suppl.. (in print). (2000)
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[Publications] Y.Kawabata et al.: "Neutron Mirror Development for VCN/UCN Sources"Proc.of 15th International Collaboration on Advanced Neutron Sources, Tsukuba, Japan,. (in print). (2000)
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[Publications] Y.Kawabata et al.: "Development of Wide Band Neutron Monochromator Consisting of a Stack of Multilayers"J.Nucl.Sci.Technol.. 37. 102-106 (2000)