2002 Fiscal Year Annual Research Report
SiC及び関連物質中の照射導入欠陥の生成効率における照射温度依存性の観測と解析
Project/Area Number |
12680509
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
岡田 守民 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (00027450)
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Keywords | 炭化珪素 / ワイドギャップ半導体 / 中性子照射効果 / 照射温度依存性 / 照射欠陥 / 吸収スペクトル / 電気特性 / 欠陥回復過程 |
Research Abstract |
4H及び6H-SiC単結晶或は窒化物及び酸化物単結晶等の関連物質について、京大原子炉(KUR、5MW、軽水減速炉)、京大炉電子ライナック(22〜30MeV)等で照射し、導入された照射欠陥に関し、その性質やモデルの同定を、照射量依存性、照射温度依存性、熱回復過程等について光吸収、ESR観測により調べた。また、電気特性の熱回復過程についても調べた。さらに、熱中性子照射によるSiC中の^<29>Si(nγ)^<30>Si反応後β崩壊によって生成される^<30>Pのドナーとしての働きを確認する(核転換注入:NTD)実験も行った。 これらの実験の結果(1)SiC単結晶や窒化物そしてルチル等共有結合性の高い物質における欠陥導入量の照射温度依存性が、通常の照射温度の上昇に伴う指数関数的減少関係(フレンケル欠陥の再結合)から異なる結果を得、その原因が共有結合性にあることを提案した。(2)SiCのESR観測からSi空孔、C空孔、Si空孔-Si空孔対及びSi空孔-C空孔対等の存在を確認、(3)電気特性の熱回復過程の観測結果から、照射により減少したキャリア濃度は照射温度(約350K)から800Kまで変化しないこと、ホール易動度及び電気抵抗率は約800Kで共に約40%回復すること等が分かった。(4)SiCの熱中性子照射によりNTDで導入される^<30>Pが、ドナーとしての働きうることを確認できた。(5)その結果p型6H-SiCがn型に転換する等のことが明らかとなった(C-V及びV-I測定で確認)。また、MgOやGaN等の関連物質についても同様の実験を行い、多くの知見を得た。これらの成果について平成14年度内に国際雑誌、国際学会、各種研究会等で発表した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Kanazawa: "Electrical properties in neutron-irradiated siliconcarbide"Mater. Science Forum. 389-393. 517-520 (2002)
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[Publications] S.Kanazawa: "Radiation induced defects in p-type silicon carbide"Mater. Science Forum. 389-393. 521-528 (2002)
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[Publications] K.Kuriyama: "Lattice distortions and the transmuted Gerelated luminescence in neutron-transmutation-doped GaN"Appl. Phys. Lett. 80. 3328-3330 (2002)
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[Publications] M.Okada: "Improvement of low temperature irradiation facility at Kyoto University Reactor (KUR)"Nucl. Instr. Meth., Phys. Res. A. 463. 213-219 (2001)
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[Publications] M.Okada: "Accumulation efficiency of lattice defects in nentron-irradiated oxides at several controlled temperatures"KURRI Prog. Rep.. 64 (2001)
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[Publications] 岡田守民: "酸化物中照射欠陥の集積効率における照射温度効果"材料照射効果の解明と照射技術の高度化ワークショップ報告書. 10-20 (2002)