2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12680516
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安田 延壽 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30004419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
余 偉明 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60251716)
山崎 剛 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80220317)
岩崎 俊樹 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80302074)
北條 祥子 尚絅女学院短期大学, 人間関係科, 教授 (90005033)
松島 大 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50250668)
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Keywords | 窒素酸化物 / 微量気体 / 乱流輸送 / 都市キャノピー / 熱収支モデル / 積雪域の熱収支モデル / 都市大気環境 |
Research Abstract |
仙台市内の代表的幹線道路である国道48号線(北四番町通り、幅員27m)において、都市キャニオン(道路〉内の窒素酸化物濃度(NOとNO2のモル和)の高度分布を測定し、その特徴を明らかにしていたが、さらに乱流輸送理論に基づいて、その法則を明らかにした。高度約1.5m以下では、濃度は高さに依らず、等濃度層を成している。それより上空では、窒素酸化物濃度は、高度zの対数1nzの一次関数で表される。即ち接地気層と同様の対数則が成立する。等濃度層は、発生源が地表面より数十cm高いところにあることと、走行する車両によって強制混合されることにより形成されるものである。対数則層の濃度の高度分布より、摩擦濃度が決定される。この摩擦濃度は、等濃度層上端の濃度の関数であることが、大気境界層理論および観測により明らかになり、定式化された。さらに、一般には大気の温度成層は中立ではなく不安定あるいは安定成層をなす。この効果を、接地気層の理論に基づいて取り入れ、窒素酸化物の鉛直輸送量の日変化および地域分布を計算することが可能になった。広域に渡って窒素酸化物の鉛直輸送料を計算するためには、地上付近での窒素酸化物濃度のデータの他に、大気安定度に関する情報が必要である。この問題に対して、従来から東北大学気象学研究室で開発されてきた熱収支モデルをさらに改良して用いた。特に、東北地方では冬季には積雪があるので、そのような場合に対する熱収支モデルも開発し、窒素酸化物の鉛直輸送モデルに組み込んだ。これらの理論体系から、窒素酸化物の鉛直輸送量が評価された。1991年〜1998年の9年間では、発生源である道路長100mより、年間平均NO2換算で、625kg、道路から離れた地域では、ほぼその1/3であった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 後藤順也・安田延壽: "不安定時の乱流強度と、温度及び比湿輸送量の簡易測定法"水文・水資源学会誌. 13巻2号. 114-123 (2000)
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[Publications] Motoya, K., T.Yamazaki, N, Yasuda: "Evaluating the spatial and temporal distribution of snow accumulation, snowmelts and discharge in a multi basin scale : an application to the Tohoku Region, Japan"Hydrological Processes. VOL.15. 2101-2129 (2001)
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[Publications] Wang, Z. W.Sha, H.Ueda: "Numerical modeling of pollutant transport and chemistry during a high-ozone event in northern Taiwan"Tellus. VOL.52B, NO.5. 1189-1205 (2000)
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[Publications] Ueda, H. T.Takemoto, Y.P.Kim, W.Sha: "Behaviors of volatile inorganic components in urban aerosols"Atmospheric Environment. VOL.34. 353-361 (2000)
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[Publications] 安田延壽・北條祥子: "1991年から10年間の宮城県に於けるNO2一斉調査結果と気象条件"日本環境学会誌(予定). (2002)