2001 Fiscal Year Annual Research Report
長崎県地方における黄砂現象と大気光学に関する環境動態解析
Project/Area Number |
12680523
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
荒生 公雄 長崎大学, 環境科学部, 教授 (40039425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 雅雄 長崎大学, 工学部, 助教授 (00240911)
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Keywords | 黄砂現象 / 大気光学 / エアロゾル / スカイラジオメーター / 光散乱式粒子測定器 / レーザーレーダー観測 / 大気環境解析 / リモートセンシング |
Research Abstract |
本研究課題に関する最終年度(2年目)における主な研究活動は以下の通りである。 (1) 長崎地方の黄砂現象の出現頻度を再点検し、黄砂現象の経年変化を調査した。その結果を従来から蓄積されていたデータと結合し、1914〜2001年に及ぶ88年間の出現頻度分布を明らかにした。 (2) 光散乱式粒子測定器(Optical Particle Counter ; OPC)を用いて、春季の大気中のエアロゾル濃度をほぼ連続的に測定し、黄砂現象出現前-黄砂現象中-現象後に至る大気中のダストの変動を詳細に解析し、黄砂時の大粒子急増傾向とともに、小粒子の濃度にも複雑な変化があることを見出した。 (3) 今回の研究経費で新規に導入したスカイラジオメーター(Sky Radiometer)によって、波長別直達日射量、波長別天空散乱光の散乱角度分布を連続的に測定し、黄砂現象時の光学的特性を明らかにした。また、この基礎的データは研究分担者(森山)の主たる研究課題である衛星リモートセンシングの解析にも活用された。 (4) 国立環境研究所との共同研究計画に基づいて、同研究所のレーザーレーダー装置(lidar)が長崎大学構内に設置され、2001年春季には、北京・長崎・つくばの3地点ネットワーク観測が実現し、長崎上空の大気エアロゾルの3次元的構造が明らかなり、それらのデータを組み込んで黄砂現象に関する総合的な解析を行った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Murayama, N.Sugimoto, I.Uno, K.Kinoshita, K.Aoki, N.Hasegawa, Z.Liu, I.Matsui, T.Sakai, T.Shibata, K.Arao, B.J.Sohn, J.G.Won, S.C.Yoon, T.Li, J.Zhou, H.Hu, M.Abo, K.Iokibe, R.Koga, Y.Iwasaka: "Ground-based network observation of Asian dust events of April 1998 in east Asia"Journal of Geophysical Research. Vol.106, No.D16. 18345-18359 (2001)
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[Publications] 荒生 公雄, 青木 一真: "長崎地方における1999〜2000年春の黄砂現象"長崎大学総合環境研究. 4巻・1号. 1-17 (2002)