2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12680536
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
神山 孝吉 国立極地研究所, 研究系, 教授 (70135507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 一 国立極地研究所, 北極圏環境研究センター, 助教授 (80232461)
丸尾 雅啓 滋賀県立大学, 環境学部, 助手 (80275156)
中山 英一郎 滋賀県立大学, 環境学部, 助教授 (50108982)
古川 晶雄 国立極地研究所, 研究系, 助手 (70261120)
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Keywords | 溶存性窒素化合物 / アンモニア態窒素 / 硝酸態窒素 / 生物活性 / カルシウムイオン / トリチウム解析 / マイクロフロー分析 / 氷試料の融解 |
Research Abstract |
溶存性窒素化合物は、植物などの栄養素としてまた富栄養化物質として地球生命圏にとって重要な元素である。溶存性窒素化合物はそれぞれ酸化・還元作用などを受け、溶存有機態窒素・アンモニア態窒素・亜硝酸態窒素・硝酸態窒素等に形態を変化させている。 酸化・還元作用を受けやすい非保存性物質である大気・降雪・積雪試料中の溶存性窒素化合物に着目し、その挙動を解析する。併せて大気中・降水中・積雪表面の各境界層・積雪内部層、積雪土壌境界層で生じている非保存性物質の物理的過程、化学的過程などに着目し、酸化・還元反応が卓越する地球上の場としての境界領域の特殊性を明らかにしてきた。フィールドでの測定の迅速化に努め、試料採取後の形態変化を最小限に抑えるべく検討を続けた。 試料処理方法の再検討(室内実験):昨年度積雪資料保存時の亜硝酸イオンの増加の可能性について検討した.亜硝酸は不安定であるが、時として亜硝酸極大が観測されるので、今後環境の指標としての有効性を検討する有効な材料であることが判明した. 試料解析方法の検討(野外実験支援):安定剤(HgCl2)を混入して保管・冷蔵保管・冷凍保管して、直ちに測定した試料と比較した.安定剤による微生物作用の抑制効果を実験的に明らかにし、可溶性窒素化合物の変動を引き起こす活性化物質としてCaの意義が明確になった.天候条件のため十分な野外観測が行えず試料を外気に触れさせずに保管することは出来なかった. 試料解析手法の検討(室内実験):積雪の層状試料であるコア試料中の可溶性窒素化合物を細かく測定するため、融解方法とサンプリング手法の検討を行い、マイクロフロー分析に結びつける前段階としての方法論を確立した.今後本方法に基づいて各層の化学的相互作用と化学変動過程・物理的拡散過程の検討を行う体制が出来た. 以上、降水中の可溶性窒素化合物について室内実験及び野外実験の支援方法が確立でき、今後実際の現地観測に化学的変動過程を反映させることによって、大気の気象学的変動に依存するトリチウム解析を加え、大気圏・水圏の化学的変動過程・気象学的変動過程が議論できる.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 神山孝吉: "雪氷コアの処理方法の改良"南極資料. 45・2. 171-184 (2001)
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[Publications] Maruo Masahiro: "Application of the Flow-Through Analyses of Ammonia and Calcium in Ice Core and Fresh Water by Fluorometric Detection"Field Analytical Chemistry and Technology. 5・1-2. 29-36 (2001)
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[Publications] 神山孝吉: "極域各種水試料中の低濃度HTO測定のための電解濃縮を含めた液体シンチレーション法の検討"南極資料. 44. 83-96 (2000)
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[Publications] 飯塚芳徳: "スバールバル諸島アウストフォンナ氷帽頂上における融解による積雪中化学主成分の流出"雪氷. 62. 245-254 (2000)
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[Publications] Nakamura Kazuki: "Post-depositional loss of nitrate in surface snow layers of the Antarctic ice sheet"Bulletin of Glacier Research. 17. 11-16 (2000)