2000 Fiscal Year Annual Research Report
メタン発酵に関与する微生物群のモニタリング法の開発
Project/Area Number |
12680573
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
重松 亨 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (10315286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木田 建次 熊本大学, 工学部, 教授 (00195306)
森村 茂 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 講師 (20230146)
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Keywords | メタン発酵 / メタン生成古細菌 / 微生物叢 / 遺伝子プローブ / 16SrRNA / 廃水処理 / 嫌気性細菌 |
Research Abstract |
異なる有機物負荷条件でのメタン発酵槽内の微生物叢の違いを解析するために、槽内温度37℃に設定した実容積約1.8lの完全混合型リアクターに酢酸合成廃水を希釈率0.025d^<-1>(低負荷条件)および0.6d^<-1>(高負荷条件)で供給する2種類の嫌気連続培養系を構築した。 それぞれの発酵槽内液からDNAを抽出し、PCR法により16SrDNAクローンライブラリを構築し、塩基配列を決定した。低負荷条件の発酵槽より得られたクローン(103個)の構成は、古細菌が40.8%、真正細菌が59.2%であった。一方、低負荷条件の発酵槽内液から得られたクローン(112個)の構成は古細菌が64.3%、真正細菌が35.7%であった。二つの有機物負荷条件によらず、古細菌では酢酸資化性を示すMethanosarcinaseae科に分類されるクローンのみが得られ、真正細菌ではBacillus/Clostoridium groupに分類されるクローンが大半を占めていた。 古細菌の16SrRNAに特異的なプローブと、真正細菌の16SrRNAに特異的なプローブを用いて、発酵槽内液に対してFISH実験を行った。その結果、いずれの発酵槽にも古細菌が優占して存在することが判明した。 2種類の酢酸資化性メタン生成古細菌であるMethanosaeta属、Methanosarcina属それぞれの16SrDNAに対して特異的なPCRプライマーおよびTaqManプローブを用いて発酵槽内液から抽出したDNAを鋳型とした定量的PCR実験を行った。その結果、低負荷条件の発酵槽内には遺伝子量としてMethanosaeta属がMethanosarcina属の30倍存在することが、一方、高負荷条件の発酵槽内にはMethanosarcina属がMethanosaeta属の4倍存在することが判明した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Kida,T.Shigematsu,J.Kijima,M.Numaguchi,Y.Mochinaga,N.Abe,S.Morimura: "Influence of Ni^<2+> and Co^<2+> on Methanogenic Activity and the Amounts of Coenzymes Involved in Methanogenesis."Journal of Bioscience and Biotechnology. (in press). (2001)
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[Publications] T.Shigematsu,J.Kijima,Y.Mochinaga,M.Abe,S.Morimura,K.Kida: "Influence of Ni^<2+> and Co^<2+> on Methanogenic Activity and the Coenzymes for Methangenesis"Proceedings of 5th International Symposium on Environmental biotechnology. (in press). (2001)
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[Publications] 重松亨,二宮加奈,貴島純次,森村茂,木田建次: "メタン発酵槽内の微生物叢の希釈率による変化"第3回日本水環境学会シンポジウム講演集. 82-83 (2000)
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[Publications] 重松亨,二宮加奈,貴島純次,森村茂,木田建次: "酢酸からのメタン発酵に関与する微生物叢の解析"平成12年度日本生物加工学会大会講演要旨集. 45 (2000)