2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12680581
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
棚田 成紀 近畿大学, 薬学部, 教授 (20075948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安部 郁夫 大阪市立工業研究所, 課長(研究職)
川崎 直人 近畿大学, 薬学部, 助手 (60271409)
中村 武夫 近畿大学, 薬学部, 助教授 (90155838)
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Keywords | シクロデキストリン / 高度処理 / 環境ホルモン / 包接 |
Research Abstract |
環境ホルモンであるノニルフェノールは、それぞれ非イオン界面活性剤原料およびプラスチック原料として使用され,河川や土壌を汚染している。一方、ビスフェノールAは樹脂製造の中間生成物や缶のコーティング剤として大量に生産・使用されている。環境ホルモンは土壌に浸潤し、さらにその一部は地下水を汚染しているが、土壌や地下水の汚染状態の詳細調査や浄化対策は、ほとんど進んでいない。土壌中の環境ホルモンは水に対する溶解度が低いため、除去することが困難であるが、高水溶性シクロデキシストリンであるヒドロキシプロピルCD(HP-CD)により除去できる。今回、ビスフェノールA-HP-CD複合体またはノニルフェノール-HP-CD複合体の高度処理による除去について評価・検討した。 内空半径の異なるHP-CD-ノニルフェノール複合体の炭素材料による除去量は、内空半径の大きいHP-CDにおいて最も高値を示した。ノニルフェノールのHP-CD水溶液への溶解度はβ-CDにおいて最も大きくなった。一方、置換度の異なるHP-CD-ノニルフェノール複合体の炭素材料による除去量は、置換度が高いHP-CDにおいて高値を示した。ノニルフェノールのHP-CD水溶液への溶解度は、置換度の小さいHP-CDにおいて最も増大が認められた。以上の結果より、高濃度ノニルフェノール汚染土壌を処理するためには、HP-β-CDのうち置換度が小さいCDほど至適であることが示唆された。 一方、ビスフェノールAの場合、溶解度はHP-α-CD<HP-γ-CD<HP-β-CDの順で増大した。また、複合体の炭素材料への吸着量はHP-α-CD, HP-γ-CD, HP-β-CDともにほぼ同値となった。また,温度による差は、ほとんど認められなかった。一方,置換度の異なるHP-β-CDの場合,吸着量は置換度0.6のCDにおいて最も高値を示した。ビスフェノールAの吸着量は内孔半径に依存せず,HP-CD溶液の初濃度に依存していることが判った。したがって,ビスフェノールA-HP-CD複合体の炭素材料による除去には、置換度0.6のHP-β-CDが最適であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Tanada et al.: "Formation of Trihalomethanes from dyes by ozone treatment"Toxicological and Environmental Chemistry. 79. 1-7 (2001)
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[Publications] S.Tanada et al.: "Inclusion behavior of 4-nonylphenol into cyclodextrin derivatives"Journal of Colloid and Interface Science. 238. 215-218 (2001)
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[Publications] S.Tanada et al.: "Removal of bisphenol A in soil by cyclodextrin derivatives"Toxicological and Environmental Chemistry. 79. 23-29 (2001)
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[Publications] S.Tanada et al.: "Trihalomethane removal by activated carbon fiber"Journal of Environmental Science and Health. A36. 1301-1310 (2001)