2001 Fiscal Year Annual Research Report
環境保全適性である天然色素の有効的抽出法と利用に関する研究
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12680583
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Research Institution | Kyoritsu Women's Junior College |
Principal Investigator |
樫野 悦子 共立女子短期大学, 生活科学科, 助教授 (70123148)
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Keywords | 天然色素含有植物材料 / 酸性領域 / 塩基性領域 / 吸光度 / pH / 無機酸 / 有機酸 / アルカリ剤 |
Research Abstract |
平成13年度は、平成12年度からの継続で研究を進め、平成12年度に実施した天然色素含有植物材料のインド茜の水溶媒抽出における常温静置の抽出法による無機酸、有機酸添加の場合の酸性領域における色彩についての結果をまとめた。そしてインド茜色素の多く抽出される効果的抽出方法についても結果をまとめた。一方、その他の天然色素含有植物材料としての蘇枋(水溶媒抽出)について研究を行い、常温静置状態で各4種の無機酸、有機酸及びアルカリ剤の計12種の添加剤で初期pHとなるようにした溶液で抽出した。蘇枋の場合、紫外可視分光光度計で各抽出液の吸収スペクトルを測定した結果、高い吸光度が得られたのはアンモニア水添加による初期値pH12の抽出条件であり、1日抽出から高い吸光度を示し、蘇枋色素が多く抽出されていることが認められた。しかし、酸性領域では、無機酸添加の吸光度は概して低く、蘇枋色素の抽出量は少ないことが認められた。有機酸添加ではプロパン酸添加及びブタン酸添加による初期値pH2における抽出は、低い吸光度であった酸性領域の中で、抽出日数の増加と共に吸光度は上昇を示し、比較的良好な結果が得られた。最大波長の変化については、アンモニア水添加の1日抽出では、初期値pHによって最大波長は変動し、中性付近から強アルカリ性側へと初期値pHが高くなると、最大波長は長波長側へ移行する傾向が認められた。pHの変化については、pHメーターにより抽出日数ごとに測定し、蘇枋を入れて1日後の初期pHは、塩基性領域の中性に近い領域では大きく低下し、その他の高い塩基性領域では添加剤の種類によって低下程度が異なったが、酸性領域ではいずれの場合も上昇を示した。次に蘇枋の抽出液の色相についてみると、アンモニア水添加では初期値pHが高くなるほど濃色暗色となり、酸性領域では概して淡黄色であり、ブタン酸添加による初期値pH2ではより濃色であった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 樫野悦子, 今泉麗: "植物染料の抽出に関する研究(第2報)-酸性領域におけるインド茜抽出液の色彩学的研究-"共立女子短期大学 生活学科 紀要. 第45号. 73-82 (2002)
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[Publications] 樫野悦子, 今泉麗: "植物染料の抽出に関する研究(第3報)-植物染料インド茜の効果的抽出法の検討-"共立女子大学 総合文化研究所 年報. 第8号. 301-308 (2002)
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[Publications] 樫野悦子, 今泉麗: "植物染料の抽出に関する研究(第4報)-塩基性領域における蘇枋抽出液の色彩学的研究-"共立女子短期大学生活科学科紀要. 第45号. 83-88 (2002)