生態工学的手法を用いた海産魚介類の陸上養殖における海水の浄化

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12680585
• Research Institution: Ube National College of Technology
• Principal Investigator: 深川 勝之 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (20043870)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 浮田 正夫 山口大学, 工学部, 教授 (60035061) ; 竹内 正美 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (30043889) ; 村上 定瞭 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (00035065) ; 今井 剛 山口大学, 工学部, 助教授 (20263791) ; 関根 雅彦 山口大学, 工学部, 助教授 (30163108)
• Keywords: 生態工学 / 陸上養殖 / クローズドシステム / 不稔アオサ / イワムシ / 海水の浄化 / 窒素収支 / 窒素取り込み速度

Research Abstract

1.本年度は、魚槽-海藻床-干潟動物ろ床-調整槽による実験の他、干潟動物ろ床を省いたシステムでも実験を行なった。魚は成長した鯛(100g)25匹をそのまま用いた。不稔アオサ1kg,干潟動物としてイワムシ0.1g程度のものを2400匹それぞれ充填して実験を行った.2.それぞれのユニットプロセスにおける有機成分及び窒素成分についてその挙動を明らかにした。また、システム全体の有効性について検討した.特に一次生産プロセスである海藻の窒素取り込み速度の決定因子と取り込み速度について重点的に調べた.また,システム全体の窒素成分の収支を明らかにした.3.アオサの光合成促進のため赤色発光ダイオドによる照射実験も行なった。速度の制限因子は,第一に照射強度及び量であり,次に海水中の二酸化炭素濃度であった.液性が酸性側に傾くと二酸化炭素濃度が減少するが,それ以外にシステム全体の二酸化炭素生産量が少ない場合には海藻の二酸化炭素の取り込み速度に追いつかず二酸化炭素濃度の低下を招き,結果的に海藻の増殖速度が減少した.4.底生動物ろ床と砂ろ床および砂+動物ろ床について比較したところ、砂+動物ろ床が最も優れていた。5.TOCについては15mg/L程度で安定し,十分に養殖可能範囲であった.窒素成分についてはシステム全体のバランスに依拠するところが大きく,特にアオサによる固定が問題として残った.この点に関しては次年度最適条件を明らかにスリ予定である.発光ダイオードの効果を確認できていないことも課題としての請っている.

Research Products

• [Publications] 丁田由紀子, 深川勝之他: "生態工学的手法による海水の浄化と循環利用システムに関する研究"第7回シンポジウム環境用水の汚濁とその浄化(環境技術研究協会). 122-125 (2000)
• [Publications] 林田鮎美, 深川勝之他: "生態工学的手法を用いた海水の循環利用-海水の浄化-"第6回高専シンポジウム講演要旨集. 6 (2001)
• [Publications] 丁田由紀子, 深川勝之他: "生態工学的手法を用いた海水の循環利用-有機物,窒素の収支-"第6回高専シンポジウム講演要旨集. 7 (2001)
• [Publications] 新名隆博, 深川勝之他: "生態工学的手法を用いた海水の循環利用"日本高専学会第8回水環境技術研究会講演論文集. 21-24 (2001)
• [Publications] 新名隆博, 深川勝之他: "生態工学的手法を用いた海産魚介類の陸上養殖における海水の浄化-不稔性アオサの挙動-"第7回高専シンポジウム講演要旨集. 159 (2002)
• [Publications] 江本昌幸, 深川勝之他: "生態工学的手法を用いた河産魚介類の陸上整殖における海水の浄化-システムにおける成分の挙動-"第7回高専シンポジウム講演要旨集. 38 (2002)