2000 Fiscal Year Annual Research Report
化学合成法を活用する損傷DNA修復酵素の反応機構の解析
Project/Area Number |
12680595
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
小野 晶 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (10183253)
|
Keywords | Uracil-DNA glycosylase / 損傷DNA / 修復酵素 / pseudouridine |
Research Abstract |
チミジンの塩基部をシリル化し、さらに加熱することにより塩基部と糖部を分裂させた。糖部は目的とするデオキシリボース由来の1,2-グリカール体である。このグリカールと5-ヨードウラシルをカップリングし、さらに数段階の化学変換を経て2'-deoxypseudouridine(dΨ)を得た。このものは、チミジンと同様に保護、亜リン酸化してDNA合成用のアミダイトユニットとした。2'-deoxypseudouridineを含むデオキシリボオリゴヌクレオチド(ODN)は、上記アミダイトユニットを用いてDNA自動合成機を用いて合成し、天然型ODNと同様手法での脱保護、精製を行った。 一方、大腸菌由来のuraci-DNA glycosylase(UDGを)クローニングし、大量発現系を構築した。 まず、2'-deoxypseudouridine(dΨ)を含むODNがUDGの基質にならない事を確認した。即ち、dΨ-を含むODNとUDGをインキュベートしたが、何の反応も進行しなかった。 次に、dΨを含むODNがUDGの反応に及ぼす影響を観察した。2'-deoxyurudune(dU)を含むODNを基質としてUDG反応を追跡した。dUを含むODNの5'-末端を32Pで標識し、UDGとインキュベートした後、アルカリ処理する事によりUDG反応で生成したアピリミジックサイトでODNを切断した。このものをポリアクリルアミドゲル電気泳動により展開し、オートラジオグラフイーを行った。dUを含むODNとUDGの反応系にdΨを含むODNを加えところ、基質の分解が遅くなった。これはUDGがdΨを含むODNに結合したことに対応するものである。言い換えれば、Ψを含むODNはUDGと結合するが基質にはならない、阻害剤としての働きを有していた。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Kojima,C., et al: "Studies of physicochemical properties of N-H…N hydrogen bonds in DNA, using selective ^<15>N-labeling and direct ^<15>N ID NMR"Journal of biomolecular NMR. 18. 269-277 (2000)
-
[Publications] Tanaka,Y., et al: "Solution structure of an RNA duplex including a C-V base pair"Biochemistry. 24. 7074-7080 (2000)
-
[Publications] Tiandra,N., et al: "The NMR Structures of a DNA dodecamer in an aqueous liquid crystallin phase"The journal of american chemical society. 122. 6190-6200 (2000)
-
[Publications] Ono,A., et al: "Synthesis of oligodeoxyribonucleotides containing 2'-deoxy-pseudouridine : inhibition of uracil-DNA glycosylase"Nucleic Acids Symposium Series. 44. 127-128 (2000)