2000 Fiscal Year Annual Research Report
ペルオキシソーム形成機構の解明-特に膜構造の形成について-
Project/Area Number |
12680614
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
塚本 利朗 姫路工業大学, 理学部, 助手 (30236864)
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Keywords | ペルオキシソーム / オルガネラ形成 / 遺伝病 |
Research Abstract |
多くのペルオキシソーム欠損細胞には、ペルオキシソーム膜タンパク質は存在するが、マトリックスタンパク質が内部に存在しないゴーストと呼ばれる膜構造が認められる。AAA family ATPasesに属するPEX6を欠損したCHO細胞(ZP92)には、電顕による観察により、"complex membrane structure"が認められた。これは、一枚の膜に囲まれたボール状構造が、二層からなる狭いルーメンを持ったdouble membraned loopに取り囲まれており、最外層にERを伴っていた。ZP92にPEX6 cDNAを導入した際の、ペルオキシソーム形成の初期過程において、double membraned loopの内部にのみ局所的なカタラーゼの蓄積が認められた。35Sを用いた標識実験により、相補過程において、complex membrane structureからペルオキシソームが形成されることを明らかにした。 さらに、ペルオキシソーム膜を可視化するために、ペルオキシソーム膜タンパク質あるいはペルオキシソーム膜局在化シグナルを付加したレポーターを作製した。電顕レベルでの解析のためのレポータータンパク質として、組織化学染色により検出可能な西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)を利用し、さらにHRPをYFPと融合させたものを正常細胞で発現させ、光顕レベルでペルオキシソーム膜の動態を観察したのち、同じサンプルを電顕レベルでも観察できる系を確立することを試みた。しかし、ペルオキシソーム局在型HRPは活性を持たず、電顕レベルでの検出は困難と考えられた。現在、ナノゴールド標識タンパク質をマイクロインジェクションし、電顕でその局在を観察する系を構築中である。
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[Publications] T.Tsukamoto,N.Hashiguchi,S.M.Janicki,T.Tumbar,A.S.Belmont and D.L.Spector: "Visualization of gene activity in living cells"Nature Cell Biology. 2. 871-878 (2000)