2000 Fiscal Year Annual Research Report
脳神経系に特異発現されるガングリオシドの結合蛋白質の同定とその機能解析
Project/Area Number |
12680622
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
田井 直 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (70112092)
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Keywords | 脳神経 / ガングリオシド |
Research Abstract |
本年度、ガングリオシドGT1b糖鎖結合蛋白質に対する特異的モノクローナル抗体、YAK-2(lgM)、の作製に成功した。YAK-2は、小脳の可溶化粗膜画分の幾つかの蛋白質、分子量160(p160)、90(p90)と58kDa(p58)と反応した。この抗体を用いてこれらの蛋白質の生化学的ならびに免疫化学的解析を行ったところ、YAK-2抗原はラット脳特異的に発現し、その分布は主に神経細胞であるが、一部グリア細胞にも発現することが判明した。これらの発現は、ラット小脳におけるGT1bの発現と一部オーバーラップしていた。次に、YAK-2を用いた発現クローニングを試みた。λgt-11ラット脳cDNAライブラリーの発現蛋白質を膜に吸着させ、抗体陽性コロニーをスクリーニングした。陽性クローンのコード蛋白質がGT1bとの結合の有無を確認するために、lacZ融合蛋白質発現系による解析を行った。その結果、No2-1クローン(1.7kb)から発現誘導した蛋白質は、GT1bと強い結合活性を示した。そこで、このクローンについて、以下の詳細な解析を進めたところ、No2-1クローンのcDNAは、ラット神経細胞に特異的に発現される6回膜貫通蛋白質をコードしていた。この分子は560アミノ酸からなり、分子量約61kDaである。ガングリオシドとの結合活性に関する報告はない。YAK-2抗体により検出されたp58がこの分子に相当すると考えられた。現在、この分子がGT1bとの結合活性を有する直接的証拠を得るために、No2-1cDNAを動物細胞発現ベクターに組込んだ安定高発現細胞株の樹立を行っている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kotani,M.: "Ganglioside GT1b in rat brain binds to p58, a brain-specific sodium dependent inorganic phosphate cotransporter"J.Biochem.. 127. 13-22 (2000)
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[Publications] Okajima,T.: "Molecular cloning and expression of mouse GD1α/GT1α/GQ1bα synthase (ST6GalNAcVl) gene"J.Biol.Chem.. 275. 6717-6723 (2000)
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[Publications] Kanda,T.: "Anti-GM1 antibody facilitates leakage in an in vitro blood-nerve barrier model"Neurology. 55. 585-587 (2000)
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[Publications] Wang,X.: "Carbohydrate-carbohydrate binding of ganglioside to integrin alpha5 modulates alpha5beta1 function"J.Biol.Chem.. (in press).