2000 Fiscal Year Annual Research Report
ベロ毒素の糖鎖認識活性を標的とした機能的なIgA抗体の開発と治療への応用
Project/Area Number |
12680638
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
今井 康之 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (80160034)
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Keywords | O157 / ベロ毒素 / 粘膜免疫 / 糖鎖認識 / IgA / 病原性大腸菌 / 腸管出血性大腸菌 |
Research Abstract |
病原性大腸菌O157の産生するべロ毒素(SLT-1)に対する有効な粘膜免疫の誘導とべロ毒素に対するIgA型モノクローナル抗体の作製法の開発をめざして研究を行った。抗原として安全に取り扱いのできる糖鎖結合サブユニット(SLT-1B)を単独で組換え型として発現した。イオン交換およびクロマトフォーカシングを用いてタンパクを完全に精製し、抗原として用いるのに十分な精製度のタンパク標品を調製できた。精製標品の糖鎖認識活性として、糖脂質Gb3およびバーキットリンホーマ細胞に対する結合を確認した。さらに、Bサブユニットの糖鎖認識活性を簡便に測定する方法として、ELISAによる新たな方法を開発した。すなわち、化学合成したグロボトリオースをポリリジンに共有結合させ、さらにタグとしてFITCを導入した糖鎖リガンド(FITC-Gb3-PLL)を調製した。固相化したSLT-1Bに糖鎖リガンドを反応させ、結合量をペルオキシダーゼ標識抗FITC抗体で検出する実験系を構築した。糖鎖リガンドの結合は、SLT-1Bの固相化量および添加した糖鎖リガンドの濃度に依存して増加し、結合は飽和した。BALB/cマウスにComplete Freund's adjuvantとともにSLT-1Bを皮下免疫し抗血清を作製した。この抗血清は、固相化SLT-1Bに対する糖鎖リガンドの結合を抑制したが、正常マウス血清やOVA免疫マウス抗血清は抑制しなかった。よって、この実験系が糖鎖認識活性を標的とした抗体のスクリーニング法として妥当であることが示された。さらに、SLT-1Bに対するIgA抗体の誘導のため、BALB/cマウスに粘膜アジュバントのコレラトキシンとともにSLT-1Bを経口投与した。免疫マウスの糞中や小腸粘膜固有層由来のリンパ球培養上清中にSLT-1B特異的なIgA抗体を検出した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sayuri Miyashita: "Development of recombinant B subunit of Shiga-like toxin 1 as a probe to detect carbohydrate ligands in immunochemical and flowcytometric application."Glycoconjugate Journal. 16・11. 697-705 (1999)
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[Publications] 今井康之(分担執筆): "基礎生化学実験法 第5巻 脂質・糖質・複合糖質"東京化学同人. 333 (2000)