2000 Fiscal Year Annual Research Report
新規プローブを用いたコレステロールに富むドメインの可視化とその機能解析
Project/Area Number |
12680644
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
岩下 淑子 (財)東京都老人総合研究所, 蛋白質生化学部門, 室長 (50111498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 愛 (財)東京都老人総合研究所, 蛋白質生化学部門, 研究助手 (10159072)
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Keywords | コレステロール / ラフト / コレステロール結合毒素 / 血小板 / 細胞膜 / β-シクロデキストリン |
Research Abstract |
1.コレステロール結合プローブ(BCθ)の調製:コレステロールに特異的に結合する毒素蛋白質(perfringolysin O;theta-toxin)を改変し、細胞毒性のないコレステロール結合蛋白質(BCθ)を作製した。 2.コレステロール結合プローブ(BCθ)の結合特性:赤血球、血小板、リンパ球等へのBCθの結合は膜のコレステロール含量に依存し、細胞膜のコレステロールを減少させると全く結合しなくなった。細胞膜に結合したBCθは界面活性剤(トリトンX100)で可溶化されず、ラフトへの結合が示唆された。そこで、BCθを結合させた血小板を超音波で破壊し蔗糖密度勾配遠心により分画して調べたところ、90%以上のBCθが情報伝達分子とともにラフトとみなされる膜画分に回収された。以上の知見から、BCθは細胞膜のラフトに存在するコレステロールに選択的に結合すると結論され、ラフトの可視化に有用であることが示唆された。 3.低分子プローブの開発:プローブの材料となる毒素のC末端ドメイン(D4)がコレステロールの結合に関与するという結果を得たので、D4を含む種々の蛋白質断片を大腸菌で発現させた。単離したD4はnativeな毒素分子と同等のコレステロール結合能を持ち構造的にも安定であった。C末端アミノ酸残基は蛋白質の高次構造を保持するのに必須であった。さらに、D4のN末端アミノ酸残基も構造の安定化に必要であり、D4がコレステロール結合の最小単位と考えられた。D4に蛍光色素を導入し細胞を染色したところ、コレステロール特異的な結合が確認され、蛍光標識したD4はリアルタイムのコレステロール解析に有用と考えられた。
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Research Products
(1 results)