2001 Fiscal Year Annual Research Report
単層上皮特異的中間径フィラメント蛋白質ケラチン8・18制御機構の解析
Project/Area Number |
12680645
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Research Institution | Aichi Cancer Center |
Principal Investigator |
井澤 一郎 愛知県がんセンター, 発がん制御研究部, 主任研究員 (20311441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 浩一 愛知県がんセンター, 発がん制御研究部, 室長 (50252143)
稲垣 昌樹 愛知県がんセンター, 発がん制御研究部, 部長 (30183007)
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Keywords | 中間径フィラメント / ケラチン / 熱ショック蛋白質 / Mrj / TNF / TRADD |
Research Abstract |
本研究において私共は、ケラチン18と結合する蛋白質として、Mrj蛋白質およびTNF receptor 1-associated death domain protein (TRADD)を同定した。MrjはDnaJ/Hsp40ファミリーに属する蛋白質で、ケラチン18に特異的に結合するco-chaperoneとしてHsp/c70をリクルートし、ケラチン8・18フィラメント構築を制御していることを明らかにした。TRADDは、TNFがTNF receptor 1に結合すると、TNF receptor 1の細胞内ドメインに結合し、TNFのシグナルを下流に伝えていく分子であるが、私共は、単層上皮細胞において、TRADDとケラチン18が結合していることを見出した。そして、単層上皮細胞では、TRADDがケラチン細胞骨格と結合しているために、TNFがTNF receptor 1に結合した時に、TRADDがTNF receptor 1にリクルートされるのが阻害されていることを観察し、このために、INFによるcaspase 8の活性化が阻害され、アポトーシス誘導が減弱していることを認めた。これらの結果は、単層上皮細胞がTNF刺激によるアポトーシスに対して抵抗性を示すことの分子メカニズムのひとつを明らかにし、TRADDを介するケラチン8・18細胞骨格とTNFシグナリングとのクロストークがある可能性を示唆するものである。また私共は、ケラチン8と結合しうる分子としてこれまでに、(1)核膜孔の構成分子であるnucleoporin p62、(2)転写因子ATF5/ATFx、および(3)トリコヒアリン・プレクチンに相同性を有する新規蛋白質、を同定し、現在、その結合の生理学意義を解析している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nagata, K.-i.: "A decade of site-and phosphorylation state-specific antibodies : recent advances in studies of spatiotemporal protein phosphorylation"Genes Cells. 6. 653-664 (2001)
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[Publications] Inada, H.: "Keratin attenuates tumor necrosis factor-induced cytotoxicily through association with TRADD"J.Cell Blol.. 155・3. 415-425 (2001)