2001 Fiscal Year Annual Research Report
顆粒球コロニー刺激因子による好中球の増殖、分化の分子機構
Project/Area Number |
12680696
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福永 理己郎 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40189965)
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Keywords | 造血 / 細胞増殖 / 細胞分化 / 顆粒球コロニー刺激因子 / 転写因子 / SWI2 / SNF2型ATPase / クロマチン再構成因子 / 好中球 |
Research Abstract |
本研究では,好中球の増殖と分化の分子機構を解明することを目的に,G-CSFの細胞内シグナル伝達機構および好中球特異的転写因子MZF-2による遺伝子発現制御機構を研究した。昨年度までの研究では,MZF-2の機能ドメインについて解析し,その転写活性化ドメインを同定するとともに,その転写促進活性がERK MAPキナーゼによって負の制御を受けることを示した。平成13年度はMZF-2の転写活性化ドメインに結合する核内因子の探索を目的に,酵母Ras recruitment two-hybrid systemを用いてマウスLGM-1骨髄球細胞のcDNAライブラリーをスクリーニングし,SWI2/SNF2型ATPase/helicaseドメインを持つmDominoを同定した。mDominoは3035アミノ酸残基から成る巨大タンパク質であり,そのC末端領域には2カ所のポリグルタミン配列を持つ特徴的なドメイン(ポリグルタミンドメイン)が存在した。N末端にMyc-tagを接続したmDominoをCOS細胞で発現させると約350kDaの遺伝子産物が核に局在することが示された。さらに,mDominoの種々の欠失変異体の解析により,MZF-2がmDominoのポリグルタミンドメインに結合すること,このポリグルタミンドメインをLGM-1細胞で発現させるとMZF-2の転写促進活性を増強することが明らかになった。SWI2/SNF2型ATPase/helicaseファミリーはクロマチン再構成因子の構成成分としてヒストンアセチル化/脱アセチル化酵素やPolycomb/Trithorax遺伝子産物と相互作用することが知られており,mDominoとMZF-2の複合体形成によって骨髄球分化に関わる遺伝子発現が制御される可能性が示された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Fukumoto, T.et al.: "The Fused protein kinase regulates Hedgehog-stimulated transcriptional activation in Drosophila Schneider 2 cells"Journal of Biological Chemistry. 276. 38441-38448 (2001)
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[Publications] Seger, R.(編): "MAP Kinase Protocols : Methods in Molecular Biology Series"Humana Press, Totowa, USA(印刷中).