2001 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエを用いた形態形成におけるJNK活性化機構の解明
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12680707
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Research Institution | OSAKA BIOSCIENCE INSTITUTE |
Principal Investigator |
石丸 聡 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 所長研究部, 研究員 (00203026)
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Keywords | Crk / C3G / CAS / Dock180 / Myoblascity / RNA interference / thorax closure / ショウジョウバエ / 逆遺伝学 |
Research Abstract |
本年度はCrk, C3Gと、別のCrkSH3結合分子Dock180/Mbc、更にCrkのSH2に結合する分子に関して以下のような解析を行った。 我々はC3GがCrkのSH3に結合する事から、C3Gの活性化がCrkを介して起こる事を想定した。本年度はショウジョウバエにおけるCrk相同因子(DCrk)のシグナリングの上流、下流で機能すると予想される別のタンパク質をコードする遺伝子DPaxillin, myoblastcity (mbc ; Dock180ホモログ)の機能解析も行った。これら遺伝子の機能破壊の表現型を明らかにするために、RNA interference (RNAi)を試みた。その結果、Crk, C3G及びMbcのいずれも成虫の背部形成時のthorax closureと呼ばれる過程に関与している事を見出した。この事はCrk-C3G及びCrk-Mbcの2つのシグナルのどちらもがthorax closureの過程に必要である事を示唆している。thorax closureにはショウジョウバエのJNK pathwayが重要な役割をしている。活性型C3GによるJNKの異所活性化と考えあわせると、Crk-C3GのシグナルはJNKの活性化に関与している事が強く予想された。一方、生化学的、遺伝学的な解析の結果から、Crk-Mbcはthorax closureにおいてRacを介したactinのreorganizationに必要であると思われる。今後は遺伝学的にこれらの遺伝子間に相互作用があるか否かを解析する。最近になってthorax closureの過程でCrkの上流からのシグナルはレセプター型チロシンキナーゼによるものである事を新たに見出した。 DPaxillinは発現パターンやRNAiによる表現型が異なる事からthorax closureの過程においてはCrkを介したシグナル伝達には関与していないと考えている。
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Research Products
(1 results)