2001 Fiscal Year Annual Research Report
仙髄副交感節前神経細胞を調節する神経回路とシナップス構築
Project/Area Number |
12680734
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
増子 貞彦 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (20015100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 祐造 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (20128143)
李 明子 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (00304882)
河野 史 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (10152985)
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Keywords | 仙髄 / 副交感節前神経 / 中枢性投射線維 / 内臓性求心線維 / 介在神経 / シナップス構築 / 神経ペプタイド / vesicular acetylcholine transporter |
Research Abstract |
仙髄副交感節前神経に対する中枢性および末梢性調節機構を明らかにする目的で,平成13年度(3年計画の2年目)は以下の研究計画を重点的に行った. 1.ラット仙髄節前神経細胞に対する入力神経終末分布様式の特徴 前年度の研究計画で存在が明らかになった神経終末について,各種神経ペプタイドや神経マーカーに対する二重免疫組織化学と骨盤神経叢からの逆行性トレーサー実験を組み合わせて,仙髄(L6,S1)節前神経細胞と神経終末および神経終末相互の位置関係を調べた.さらに同様な方法で,骨盤内臓を支配する腰髄(L1,L2)節前交感神経細胞に対する入力神経線維の分布様式を調べ,前者と比較することにより,以下のことが明らかになった. 1)腰髄交感神経レベルには無く,副交感節前神経細胞に特徴的な入力線維に,後角外側を回って節前神経領域に至る末梢神経由来のsubstance P(SP), calcitonin gene-related peptide(CGRP), vesicular acetylcholine transporter(VAChT), vasoactive intestinal polypeptide(VIP)陽性線維があり,CGRP線維は一部にSPを共存して節前神経細胞の周囲で網目状終末を形成する. 2)中心管背側部から中間質外側部に向かう介在神経由来のenkephalin(ENK)陽性線維は交感,副交感の両方に存在するが,仙髄副交感レベルのENK終末はneuropeptide Y(NPY)を共存し,CGRP網目状終末の外側に多く分布する. 3)下行性のserotonin(5-HT)神経終末が腰髄交感節前神経細胞の周囲に濃密に分布するが,仙髄副交感節前神経細胞に対しては選択的な分布を示さない. 2.上記の結果を基に,入力神経終末と節前ニューロンとのシナップス構築に関する電子顕微鏡解析や中枢内の線維連絡に関するトレーサー実験を進行中で,次年度の研究計画につなげる予定である.
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Research Products
(1 results)