2001 Fiscal Year Annual Research Report
前頭前皮質―視床背内側核間の神経回路網における皮質内抑制性神経細胞の役割
Project/Area Number |
12680739
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
黒田 優 東邦大学, 医学部, 教授 (10170135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横藤田 純子 東邦大学, 医学部, 助手 (80114792)
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Keywords | 視床 / 辺縁前野 / 電顕 / シナプス / γ-アミノ酪酸 / インターニューロン |
Research Abstract |
前頭前皮質や視床背内側核(MD核)は、作業記憶などの高次脳機能に関連する興味深い領域である。これまでの研究で、両者間には興奮性単シナプス性フィードバック・ループが存在し、MD核からの興奮性入力は対側の前頭前皮質にも伝達されることを明らかにした。さらに、前頭前皮質とMD核間の興奮性回路に皮質内抑制性インターニューロンが係わっている可能性が示唆された。このため、今回の研究において、前頭前皮質-MD核間の興奮性神経回路に皮質内抑制性インターニューロンがどのように係わっているのかを神経標識法と包埋後免疫電顕法を組み合わせることによって明らかにすることを目指している。 昨年の成果として、MD核に順行性トレーサーとしてPHA-Lを注入して視床皮質線維を標識し、GABA陽性構造を標識するためには前頭前皮質超薄切片に金コロイド粒子を用いる包埋後免疫電顕法を施した結果、MD核からの神経終末とGABA陽性細胞の間に非対称性シナプスの形成が観察された。さらに、本年は逆行性トレーサーとしてWGA-HRPを注入して皮質視床細胞を標識し、抗GABA抗体による包埋後免疫電顕法を組み合わせて検索したところ、皮質視床細胞にGABA陽性神経終末が終わっている所見を得た。また、GABA陽性のシナプス前および後構造間のシナプス形成を確認した。以上の結果は、前頭前皮質とMD核間には閉鎖性興奮性回路のほかに、抑制性インターニューロンを介したfeedforwardおよびfeedback inhibitionによって興奮性皮質視床ニューロンが調整されている可能性を示している。
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