2002 Fiscal Year Annual Research Report
細胞接着因子ギセリンの成熟神経系における新しい機能解析
Project/Area Number |
12680753
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平 英一 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (60263240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 秀和 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70273638)
三木 直正 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (40094445)
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Keywords | 細胞接着因子 / ゲノミッククローニング / 発現制御 / 神経突起伸展 |
Research Abstract |
1)ギセリンのゲノミッククローニングと上流解析 トランスジェニックマウス及びノックアウトマウス作成を視野に入れてマウスギセリンのゲノミッククローニングを行い、上流域8kを含む15kbpのクローンを単離し、全エクソンイントロン構造と上流域の決定を行った。この結果、ギセリン遺伝子は16個のエクソンから成り、アイソフォームはエクソン15のスプライシングによるものであることが確認できた。さらに、上流域の解析のために、各種の長さの上流域をルシフェラーゼレポーターにつなぎ、現在転写シスエレメントの解析を行っている。その結果、特定のグロースファクターに反応し、ギセリンの発現が上昇することが確認された。一方、コンディショナルノックアウトマウス作成のために、ターゲティングベクターを作成中である。さらに、転移に関するギセリンの機能を解析するために、アイソフォームスペシフィックトランスジェニックマウス用ベクターを作成中である。 2)細胞内領域の機能解析 ラットギセリンとGFPとの融合蛋白質発現ベクターをPC12細胞に導入し、神経細胞に発現するギセリンの機能を解析した。その結果、細胞内領域の異なるs-ギセリンとl-ギセリンでは神経突起伸展に相反する作用があることが明らかとなった。 3)ラットギセリン細胞内領域に結合するタンパク質の検索ラットギセリンは細胞接着因子としての機能を持っているが、細胞内領域のみ異なる2種類のアイソフォームが存在することから、その細胞内領域にはそれぞれ異なった働きが有ると推察された。そこでs-及びl-ギセリンの細胞内領域に結合するタンパク質の検索を行い、数個の候補クローンを単離した。現在、各アイソフォームとGSTとの融合タンパク質を用いたプレイとの結合実験を行い、真に細胞内領域に結合するかの確認中である。
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