2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトの身体座標の脳内再現に関する,PETおよび磁気刺激による非侵襲的解析
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12680773
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松村 道一 京都大学, 総合人間学部, 教授 (20150328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
定藤 規弘 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (00273003)
内藤 栄一 京都大学, 総合人間学部, 助手 (10283293)
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Keywords | 身体座標 / 磁気刺激 / 非侵襲性技法 / 運動野 / 運動発現 |
Research Abstract |
ヒトの身体座標の脳内再現を解明する第1段階として、本年度は、運動準備中における運動野再現マップのダイナミックな強度変化を解析した。運動野の経頭蓋磁気刺激(TMS)によって誘発される筋活動を定量的に調べたところ、主勲筋と拮抗筋を支配している運動野め興奮性が、運動準備中には課題特異的に変化していることが明らかになった。 光刺激に対して指を使ってキー押しをする運動課題として、(1)単純反応時間課題、(2)Ready-Go課題、(3)Go/Nogo課題を行わせた。TMSによって指の屈筋と伸筋の両者から誘発電位が記録できる運動野領域を特定し、光刺激から運動が開始されるまでの間に、一定間隔で磁気刺激を行い、誘発筋電図の振幅変化を測定した。 その結果、(1)単純反応時間課題では、刺激提示後TMSの誘発筋電図の振幅は、主動筋・拮抗筋ともに増加したが、その変化は主動筋でより顕著であった。(2)Ready-Go課題では、刺激提示後主動筋と拮抗筋の両者とも誘発電位の振幅が減少した。(3)Go/Nogo課題では、刺激提示後主動筋の誘発電位の振幅は減少したが、拮抗筋の活動はさほど顕著に減少しなかった。 以上のことより、特定の指を動かす勲作の運動準備中には、運動野に課題特異的な興奮性の変化化が生しており、その変動は主動筋においてより顕著に現れていることが明らかにされた。また本研究結果は、TMSが運動野の再現部位における内部状態を検出するために、ある程度の空間的精度を保ちながら、感度の高い測定技法として利用できることを確認できた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Fetz,E.,Chen,D.,Murthy,V.and Matsumura,M.: "Synaptic interactions mediating synchrony and oscillations in primate sensorimotor cortex"J.of Physiology (Paris). (in press).
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[Publications] Morita,Kochiyama,Yamaba,Konishi,Matsumura and Sadata: "Difference in the response to photic stimulation of the lateral geniculate nucleus and the primary Visual corter of infants"Neuroscience Research. (in press).
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[Publications] Bodegard,A.,Ledberg,A.,Naito,E and Roland,P.: "object shape differences reflected by somatosensory cortical activation"J.of Neuroscience. 20. 51 (2000)
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[Publications] Naito,E.,Kinomura,S.Roland,P.and Zilles K.: "Fast reaction to different sensory modalities activates common fields in the motor areas"J.of Neurophysiology. 83. 1701-1709 (2000)
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[Publications] 松村道一: "脳科学への招待"サイエンス社(印刷中).
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[Publications] 松村道一,森谷敏夫,小田伸午: "ヒトの運動の神経科学"市村出版(印刷中).