2000 Fiscal Year Annual Research Report
神経可塑性に関与するNOカスケード構成因子群の解析
Project/Area Number |
12680790
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
遠藤 昌吾 理化学研究所, 記憶学習機構研究チーム, 研究員 (60192514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 敏男 理化学研究所, 行動遺伝学技術開発チーム, 研究員 (80252526)
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Keywords | 小脳 / プルキンエ細胞 / G-substrate / プロテインホスファターゼ |
Research Abstract |
本研究では、神経可塑性に関与するNO(一酸化窒素)カスケードの下流因子であると考えられる小脳プルキンエ細胞に特異的なタンパク質、G-substrateの生理的役割りについて検討した。 我々はヒトに加えマウス、ラットのG-substrate cDNAを単離同定し、G-substrateが種間で非常によく保存されたタンパク質であることを明らかにした。さらに、マウスのG-substrate遺伝子のエクソンーイントロン構造を決定し、現在、G-substrateのプロモーター領域の解析を行っている。G-substrateは小脳プルキンエ細胞に特異的に発現していることから、G-substrateのプロモーターは本細胞特異的に外来遺伝子等を発現させるために有効である。 G-substrateのプロテインホスファターゼ阻害作用の生化学的特徴付けをおこなった。G-substrateのリン酸化部位に各種変異を導入したG-substrateを大腸菌で発現して用いた実験から、G-substrateのC-末端側にあるリン酸化部位がプロテインホスファターゼの阻害作用に重要な働きをしていることを明らかにした。 さらに、G-substrateを"bait"として酵母2-ハイブリッドシステムによるスクリーニングを行い、G-sbstrateと相互作用するタンパク質として、細胞周期に関与するcdc37を単離した。さらに、我々はcdc37、cdk4がプルキンエ細胞に発現していることを組織化学的に明らかにした。増殖性を持たない神経細胞であるプルキンエ細胞にこれらのタンパク質が存在し、G-substrateと相互作用することは、細胞周期以外でもcdc37-cdk4-サイクリンDを介した転写制御が働いている可能性を示唆しており、G-substrateがその調節因子として神経可塑性に関与する可能性が考えられる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Leven son,J. et al: "Long-term regulation of neuronal high-affinity glutamate and glutamine uptake in Aplysia."Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 97(23). 12858-63 (2000)
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[Publications] Endo,S.and Ito,M.: "Characterization of G-substrate, a putative downstream component of NO-cGMP-PKG cascade in cerebellar Purkinje cells"Proc.Australian Neuroscience Society. 12. 159 (2001)
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[Publications] Nakashiba T, et al: "Netrin-G1 : a novel glycosyl phosphatidylinositol-linked mammalian netrin that is functionally divergent from classical netrins."J Neurosci.. 20(17). 6540-50 (2000)
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[Publications] Sassa T, et al: "Identification of variants and dual promoters of murine serine/threonine kinase KKIAMRE."J Neurochem.. 74(5). 1809-19 (2000)
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[Publications] 池田敏男: "成体神経組織での誘導的および領域特異的遺伝子欠失と発現"分子神経医学. 1. 65-70 (2000)