2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12680817
|
Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
紫野 正雄 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (30063960)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏崎 直巳 麻布大学, 獣医学部, 講師 (90298232)
|
Keywords | ラット / 精子 / 凍結保存 |
Research Abstract |
ラット精子に対する遠心処置が、その運動性に与える影響を調べた。また、精液の凍結融解過程で遠心処置をおこなわずにペレット法とストロー法で精液を凍結し、融解後の精子運動性を調べた。SD系の成熟雄ラットから精巣上体を採取した。この精巣上体を室温下で1mlのR1ECM中で切断し精子を浮遊させた。この精子浮遊液を700Gにて5分間遠心分離処置した。そして、処置直後および処置後37℃で30分インキュベート後の精子運動性を遠心分離処置を施さない精液と比較した。また、精液の凍結は、精巣上体を室温下で凍結用1次希釈液[Lactose 8%(v/v)、Egg yolk 23%(v/v)Dibekacin10mg/100mlをTris 10%溶液にてpHを7.4に調節したもの]2ml中で切断して精子を浮遊させた。この浮遊液を15℃恒温器に入れて30分間放置し、冷却した。さらに、4℃の冷蔵庫に入れ30分間放置し、冷却した。続いて、浮遊液と同量の4℃に冷却した2次希釈液[1次希釈液にglycerol 6%(v/v)、OEP1.4%(v/v)を加えたもの]を浮遊液に加えて撹拌した。この精液を0.25mlストローを用いたストロー法および50μlのペレット法で凍結保存した。融解は37℃でおこない、融解直後および融解後30分間インキュベート後に精子の運動性を調べた。遠心分離処置を施さないものと比較し、遠心分離処置したものは、処置直後および処置30分後の精子運動性が有意に(p<0.001)低下し、遠心処置により精子運動性が低下することが明らかになった。凍結融解過程において遠心処置を施さない凍結融解法により、凍結融解後5-10%の運動性を有する精子をえることができた。また、凍結方法としてストロー法とペレット法のいずれの場合でも、凍結融解後の運動性を有している精子の割合に有意な差は認められなかった。
|