2000 Fiscal Year Annual Research Report
悪性腫瘍の進展度・転移巣に関する術中高感度蛍光診断法の確立
Project/Area Number |
12680824
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松村 明 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (90241819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 成美 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (60232253)
高野 晋吾 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (50292553)
能勢 忠男 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (10009699)
足立 信也 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (70261807)
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Keywords | 悪性腫瘍 / 癌 / 蛍光診断 / 紫外線 / 励起 / プロトポルフィリン / アミノレブリン酸 |
Research Abstract |
本年度は研究初年度であり、臨床例の積み重ねの中で装置の改善を行った。まずは高感度カメラを患部になるべく近づけて精度の高い診断能力を確保するために専用のアームを作製し、装置一式を一体化して手術室内での機動性の良さを確保した。実際の蛍光診断はコンピューターへの取り込み静止画像およびデジタルビデオレコーダーによる動画画像にて記録して解析した。コンピューター上で蛍光画像と通常画像の重ね合わせを行って詳細の部位診断についても検討した。 臨床例としては悪性神経膠腫2例、転移性脳腫瘍1例、肺癌1例、気管支上皮化生1例にアミノレブリン酸を用いた蛍光診断を行った。その結果、紫外線励起(励起波長405nm)にて赤色の蛍光発色が腫瘍においてみられた。脳腫瘍の術中診断においてはフィルター付きの眼鏡でも肉眼的に確認ができる部分もあったが、高感度CCDカメラの画像を通してみると肉眼では鑑別できないような病変が点在することがわかった。気管支鏡下で蛍光診断を行った例では肺癌の赤色はあきらかであり、その他に肉眼的にはまったく病変のないと思われる部分に病理学的にも確認される上皮化生が発見された。 以上のごとく、肉眼では発見や鑑別のできない病変に対し、本法の有用性が症例数はまだ少ないながら証明された。 次年度はシステムの完成により症例数の増大が見込まれ、さらに検討を重ねていく予定である。
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Research Products
(13 results)
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[Publications] 松村明 ら: "悪性グリオーマに対する中性子捕捉療法。選択的腫瘍照射および1回照射によるQOL改善の試み。"Neuro-Oncology. 9(2). 88-93 (1999)
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[Publications] 松村明 ら: "ボロンポルフィリン化合物の異なる細胞周期への取り込みの検討"第10回国際光線力学学会日本支部例会抄録集. p29 (2000)
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[Publications] Takano S et al.: "Expression of the angiogenic factor thymidine phosphorylase in human astrocytic tumors. "J Cancer Res Clin Oncol. 126(3). 145-152 (2000)
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[Publications] 高野晋吾 ら: "肺転移をきたした小児斜台部chordoma。"Neuro-oncology. 10. 89-92 (2000)
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[Publications] 松村明 ら: "新しい中性子源を用いた中性子捕捉療法"Clinical Neuroscience. 18(9). 1108-1109 (2000)
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[Publications] Takano S et al.: "Tisuue factor, osteopontin, αvβ3 integrin expression in microvasculature of gliomas associated with vascular endothelial growth factor expression."Br J Cancer. 82. 1967-1973 (2000)
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[Publications] Matsumura A: "A new boronated porphyrin (STA-BX909) for neutron capture therapy : An in vitro survival assay and in vivo tissue uptake study."Cancer Letters. 141. 203-209 (1999)
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[Publications] 高野晋吾 ら: "甲状腺分化癌脳転移の5例"Neuro-oncology. 9(1). 23-28 (1999)
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[Publications] 松村明 ら: "明日の脳神経外科。脳腫瘍への挑戦。熱外中性子捕捉療法"堀智勝,平孝臣,伊関洋 編。先端医療技術研究所(東京). 21-30 (2000)
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[Publications] 高野晋吾: "Dysembryoplastic neuroepithelial tumor (DNT)"日本臨床 領域別症候群シリーズNo.28、神経症候群. III p77-79 (2000)
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[Publications] 高野晋吾: "神経節膠腫(Ganglioglioma)"日本臨床 領域別症候群シリーズNo.28、神経症候群. III p80-83 (2000)
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[Publications] 高野晋吾: "未分化神経節膠腫(Anaplastic ganglioglioma)"日本臨床 領域別症候群シリーズNo.28、神経症候群. III p84-86 (2000)
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[Publications] Takano S et al.: "Molecular mechanism of glioma angiogenesis"Recent Research Developments in Cancer 2 Transworld Research Network.. 55-66 (2000)