2001 Fiscal Year Annual Research Report
悪性腫瘍の進展度・転移巣に関する術中高感度蛍光診断法の確立
Project/Area Number |
12680824
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松村 明 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (90241819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 成美 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (60232253)
高野 晋吾 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (50292553)
能勢 忠男 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (10009699)
足立 信也 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (70261807)
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Keywords | 蛍光診断 / アミノレブリン酸 / 悪性腫瘍 / 悪性グリオーマ / 内臓癌 / 肺癌 / 高感度CCDカメラ / 術中診断 |
Research Abstract |
本年は昨年完成した高感度カラーCCDカメラを用いた蛍光診断システムを用いて、delta-aminolevulinic acid(5-ALA)(和光純薬、大阪)を用いた臨床応用を行った。 1.脳腫瘍 【対象】 対象は悪性グリオーマ8例、転移性脳腫瘍3例で、男性8例、女性3例である。患者の年齢は21歳から74歳(平均50.2歳)であり、MRI上全体的に増強効果がみられたのは5例、リング状あるいは一部に増強効果のみられた症例が6例で、全く増強効果のみられなかった症例は行っていない。グリオーマの内訳はGlioblastomaが3例、Anaplastic Astrocytoma(Anaplastic Oligoastrocytoma1例含む)が4例、Secondary Glioblastomaが1例である。 【結果】 これまでに行った11症例(Tab.1)においては、グリオーマでは1例を除いて蛍光が得られた。1例において蛍光を有する部分と蛍光を示さない部分が混在している例がみられた。転移性脳腫瘍においては辺縁部が蛍光を発することが多く、肉眼的に壊死と思われる中心部は蛍光が少ない傾向がみられた。1例で蛍光が得られなかった。蛍光は長時間励起光を照射しているといわゆるphotobleaching現象により、蛍光が微弱化したが表在部分の腫瘍を吸引して新たな層を露出すると赤い蛍光が顕在化した。転移性腫瘍の場合に、明らかに腫瘍を全摘出したあとに淡くピンクに蛍光を発する部分が見られる例があったが、腫瘍の蛍光とは色が異なっており、周囲の浮腫に取り込まれている可能性が考えられた。 2.消化器癌 消化器癌では3例に術中診断を行ったが、初期の2例では蛍光が微弱であったが、3例目に5-ALAを2倍量投与して病変に蛍光がみられた症例があり、このような改良により消化器癌の術中診断への応用の可能性が見えてきており、次年度にさらに症例を重ねる。 3.呼吸器系癌 気管支鏡下に5-ALAの投与により診断が可能な症例を得ているが、本領域でも投与量増加による診断能力の改善が期待される。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 松村 明ら: "高感度CCDカメラを用いた悪性脳腫瘍の蛍光ナビゲーション手術"Neuro-oncology. 11(印刷中). (2001)
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[Publications] Zhang T., Matsumura et al.: "Comparison of two Brain Tumor-Localizing MRI Agents : GD-BOPTA and GD-DTPA. - The study of Magnetic Resonance Imaging and Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy with Rat Brain tumors"American Journal of Neuroradiology. 23. 15-18 (2002)
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[Publications] Shibata Y., Matsumura A. et al.: "Competitive uptake of porphyrin and LDL via the LDL receptor in glioma cell lines : flow cytometric analysis"Cancer Letters. 166. 79-87 (2001)
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[Publications] Ichimura H., Ishikawa S.: "Innominate artery rupture after transcervical drainage for descending necrotizing mediastinitis"Ann Thorac Surg. 71. 1028-1030 (2001)
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[Publications] 高野晋吾, 坪井康次, 松村 明ら: "悪性グリオーマに対するPAV(Procarbazine,ACNU,Vincristine)療法の効果"Neuro-oncology. 11. 45-50 (2001)
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[Publications] Adachi S. et al.: "Enteral Vitamin B12 Supplements reverse postgastrectomy B12 deficiency"Ann Surg. 232. 199-201 (2000)
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[Publications] Matsumura A. et al.(分担): "In vivo and in vitro uptake study of boronated porphyrins for neutron capture therapy. In : Frontiers in Neutron Capture Therapy Vol.2, pp283-287"Hawthrone MF, Shelly K, Wiersema RJ eds, ., Plenum Press, NewYork. 1469 (2001)