2001 Fiscal Year Annual Research Report
高速度ビデオカメラを用いた心臓不整脈現象の高空間・時間分解能光マッピング計測
Project/Area Number |
12680825
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐久間 一郎 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (50178597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 逸雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (30124720)
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Keywords | 光学的膜電位計測法 / スパイラルエントリー / 不整脈 / 高輝度発光ダイオード / 高速度ビデオカメラ |
Research Abstract |
膜電位感受性色素Di-4-ANEPPSで染色したウサギ灌流標本の心筋細胞膜活動電位を、この色素の蛍光スペクトルが膜電位により波長軸方向にシフトすることを利用して計測するシステムを構築した。青緑色高輝度発光ダイオードを励起光源とすることで、安定でかつS/Nの高い蛍光信号計測を可能とし、さらに高速度ディジタルビデオカメラ(DVCR)により画像計測することで、心臓灌流表本上の膜活動電位情報を、サンプリング周期約1ms、空間分解能0.2mmという高時間・空間能で計測することが可能なシステムを構築した。これにより電気刺激により誘発したスパイラルリエントリなどの異常興奮伝播現象を計測した。本計測システムにより得られる大量のデータを効率良く処理し、解析するためのソフトウェアを製作した。各計測点での細胞膜活動電位信号の表示や、スパイラルリエントリの動画像表示、ならびに脱分極前面、細分極面をある程度自動で抽出することが可能となった。これにより実験データの解析の効率を向上させた。また昨年度より開発を進めてきた2台の高速度DVCRを用いることでウサギ摘出心の、膜電位の伝播の様子を広領域にわたって光学計測する実験システムに関しては、励起光源システムの改良、2台のカメラから得られる情報の統合手法について検討し改良を加えた。1台のカメラの視野からさまよい運動(ミアンダリング)により逸脱してしまうようなスパイラルリエントリーを連続的に追跡するには有効であることを確認した。 液体窒素により心腔内を凍結し心臓表面に近い薄い層のみを残して、他の組織を壊死させた2次元の局面状の組織からなる実験標本を使用し、より単純な2次元スパイラルを検討する実験系を用いた各種抗不整脈薬がスパイラルリェントリーのダイナミクスに及ぼす影響の実験的検討に、開発した計測システムを応用し、その有効性を確認した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 佐久間一郎: "高輝度発光ダイオードと高速度ビデオカメラシステムを用いる心臓膜電位光マッピングシステム"心臓. 23巻5号. 439-448 (2001)
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[Publications] Nitsuru Ymamoto: "Sustained Monomorphic Tachycardia in the Two-dimensional Left Ventric ular Epicardial Sheets of Rabbit Hearts Perfused In-vitro"Environmental Medicine. 45巻(掲載予定). (2001)
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[Publications] 田上直樹: "2台の高速度デジタルビデオカメラレコーダを用いた広領域心臓電位光学マッピング"心電図. 21巻5号. 658 (2001)
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[Publications] 荒船龍彦: "高速度デジタルカメラレコーダを持った心臓活動電位光学マッピングシステム"2001年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集. 331 (2001)
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[Publications] 三嶋晶: "心室スパイラルエントリのダイナミクス〜膜電位光学マッピングによる解析〜"医用電子と生体工学. 39巻特別号. 174 (2001)
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[Publications] 本荘晴朗: "高速ビデオカメラを用いた心筋活動電位光マッピング"第78回日本生理学会大会予稿集. 178 (2001)
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[Publications] Haruo HONJO: "Blockade of I_<Kr> promotes termination of spiral-type reentrant arrhythmia in the ventricle"Japanese Circulation Journal. 65,(suppl.). 259 (2001)