2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12680831
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
重政 好弘 鳥取大学, 工学部, 教授 (00032029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 稔 鳥取大学, 工学部, 助手 (10273880)
斎本 博之 鳥取大学, 工学部, 助教授 (20186977)
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Keywords | キトサン / 自己組織化 / 構造制御 / グリコールキトサン / 疎水性置換基 / コレステロール / ミセル形成 / 蛍光プローブ |
Research Abstract |
キトサンは生体適合性,生分解性,生物活性などの特性を有しており,医療材料,および生命工学の素材としての応用が期待されている.一方,親水性高分子の分子鎖中に疎水性基を導入することで,水溶液中で自己組織化し,高次構造が制御された高分子集合体を形成することが報告されている.そこで本研究では,キトサンの高次構造制御を目的とし,水溶性キトサンであるグリコールキトサンに疎水性置換基であるコレステロールを導入した新規な疎水化キトサン誘導体を合成し,コレステロールの疎水性相互作用を利用したキトサン誘導体の会合体形成挙動について検討した.コレステロール-グリコールキトサン誘導体は,コレステロールをトルエン溶液中,ヘキサメチレンジイソシアナートと反応させることによりコレステロールのカルバモイル誘導体を合成した後,市販のグリコールキトサン(Mn=55,000,Mw=184,000)と反応させることで行った.さらに,コレステロールのカルバモイル誘導体とグリコールキトサンの仕込み比を変化させることによりコレステロール基の置換度が0.01〜0.32のグリコールキトサン誘導体が合成できた.合成したグリコールキトサン誘導体の会合挙動は,疎水性の蛍光プローブである1-アニリノナフタレン-8-スルホン酸の取り込み量より評価した.その結果,グリコールキトサン誘導体の濃度が0.005mg/ml以上で急激な蛍光プローブの蛍光強度の増加と,蛍光波長の青色シフトが観測された.これはその濃度以上でグリコールキトサン誘導体の分子間でコレステロール基が会合し,グリコールキトサンの集合体が形成されことによると考えられる.
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