広域分散環境における電子カルテの安全性に関する研究

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12680834
• Research Institution: Kyushu University
• Principal Investigator: 坂本 憲広 九州大学, 医学部・附属病院, 講師 (00253485)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 山本 隆一 大阪医科大学, 病院医療情報部, 助教授 (10191462)
• Keywords: 電子カルテ / HL7 / 公開鍵基盤 / 利用者認証 / 権限管理 / 電子署名 / 開鍵証明書 / 属性証明書

Research Abstract

平成12年度の経済産業省予算により、全国26箇所の地域で電子カルテネットワークの実証実験が開始され、広域分散環境における電子カルテを利用した診療情報の共有、交換がいよいよ本格的に行われるようになってきた。本研究は、こうした電子カルテネットワークにおける診療情報のセキュリティを確保する技術の研究開発である。
電子カルテの安全性を論ずる場合、平成10年4月22日の厚生省(当時)3局長通知に基づき、真正性、見読性、保存性を扱うことが多い。本研究では、これらのセキュリティ特性に加え、広域分散環境における秘匿性を主たる研究対象としている。また、電子カルテシステムのセキュリティを考えた場合、そのシステムとしての一貫性や可用性なども対象とすべきではあるが、それぞれの電子カルテシステムにはそれぞれのシステム的、技術的な特徴があり、それらをすべて一様に扱い、網羅的な解決をもたらすことは大変困難である。一方、現在の電子カルテネットワークシステムでは、診療情報は多くの場合、XML文書として通信されている。そこで、本件急では電子カルテシステムそのものは対象とはせず、その電子カルテシステムに入出力される診療情報のみを研究対象とする。特に、厚生労働省、および文部科学省が診療情報の交換規約としてHL7を推奨していることより、HL7メッセージを中心として研究を行った。
平成13年度は昨年度までの電子カルテの安全性に関する要求分析に基づき、1)公開鍵証明書に基づいて電子カルテの利用者認証を行う手法、2)属性証明書に基づいて電子カルテの権限管理を行う手法、3)XML形式HL7メッセージに対して電子署名を施す手法、について研究を行い、その基本モデルを構築した。

Research Products

• [Publications] Norihiro SAKAMOTO, Gou MASUDA, Ryuichi YAMAMOTO: "A New Approach for Unification of Healthcare Information Exchange Protocols Through HL7 RIM"Japanese Journal of Medical Informatics. Vol.21, No.1. 13-22 (2001)
• [Publications] Gou Masuda, Norihiro SAKAMOTO, Rumi SAKAI, Ryuichi YAMAMOTO: "An Exchange Format for Use-cases of Hospital Information Systems"MEDINFO 2001, B.Patel et al. (Eds), Amsterdam IOS Press,【○!c】 2001 IMIA. 109-113 (2001)
• [Publications] Matej Sprogar, Peter Kokol, Norihiro SAKAMOTO: "Supporting Medical Decisions with Vector Decision Trees"MEDINFO 2001, B.Patel et al. (Eds), Amsterdam IOS Press,【○!c】 2001 IMIA. 552-556 (2001)
• [Publications] Norihiro SAKAMOTO: "The Construction of a Public Key Infrastructure for Healthcare Information Networks in Japan"MEDINFO 2001, B.Patel et al. (Eds), Amsterdam IOS Press,【○!c】 2001 IMIA. 1276-1280 (2001)