2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト脳型カルボキシペプチダーゼB特異的C14ドメインの機能の解明
Project/Area Number |
12680857
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松本 明 神戸大学, 医学部, 助教授 (80181759)
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Keywords | アルツハイマー病 / βアミロイド / ヒト脳型カルボキシペプチダーゼB / エキソペプチダーゼ活性 / C14 / 治療薬 |
Research Abstract |
平成12年度に達成した研究実績は以下の通りである。 (1)研究目的:「ヒト脳型カルボキシペプチダーゼB(HBCPB)のエキソペプチダーゼ作用とエンドペプチダーゼ作用に影響するC14ドメインの意義の解明」 C14ドメインと命名したHBCPBのC末端側14アミノ酸はマウスおよびラットのCPBの遺伝子構造との比較から、単一エクソンによりコードされていることが明かになり、それに伴いC14モジュールと改名した。まずC14モジュールのエピトープ解析の目的からC14ペプチドライブラリー(C14のN端から1アミノ酸毎ずれた7アミノ酸長のペプチド群)を作成し、抗C14ポリクロナル抗体によりスクリーニングした結果7および9アミノ酸からなる2種類のエピトープ(EP1およびEP2)が存在することが判明した。(雑誌論文参照)。現在さらに合成EP1およびEP2をもちいたヒト脳APPおよび合成βアミロイドに対する蛋白分解活性解析から、これらエピトープがHBCPBのエンドプロテオリシス機能、エキソプロテオリシス機能に関与していることを示唆する予備的結果をえている。 (2)(1)の研究過程で発生した新たな研究目的「HBCPBのニューロン細胞質内の詳細な局在(細胞内小器官)の決定」 γセクレターゼ機能がプレセニリンにあると推定されており、その局在が小胞体であること。また各βアミロイド分子種の形成が細胞内小器官特異的であることなどから、HBCPBの局在を明かにすることは極めて重要である。2種類の手法により小胞体に局在することを明かにした。 i)共焦点レーザー顕微鏡による解析から小胞体マーカー蛋白であるGRP78と局在が全く一致した。 ii)脳ホモジネートの密度勾配超遠心分離によりマイクロゾーム画分に、さらには小胞体画分に一致することを明かにした。(ともに雑誌論文参照)
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[Publications] Matsuyama,S.: "Activation of nicotinic acetylcholine receptors induces long-term potentiation in vivo in the intact mouse dentate gyrus"Eur.J.Neurosci.. 12. 3741-3747 (2000)
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[Publications] Matsumoto,A.: "Expression of human brain carboxypeptidase B, a possible cleaving enzyme for β-amyloid precursor protein, in peripheral fluids"Neurosci.Res.. 39. 313-317 (2001)
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[Publications] Sasaki,R.,: "Clinical significance of serumpulmonary surractant proteins-A and-D for the early detection of radiation pneumonitis"Int.J.Radiat.Oncol.Biol.Phys.. (in press). (2001)
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[Publications] Matsumoto,A.: "Human brain cerboxypeptidase B which cleaves β-amyloid peptides in vitro is expressed in endoplasmic reticulum of neurons"Eur.J.Neurosci.. (in press). (2001)