2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒーリング・オルゴールの視聴覚情報が人間におよぼす感性効果の基礎的研究
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12710023
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Research Institution | Foundation for Advancement of International Science |
Principal Investigator |
八木 玲子 財団法人 国際科学振興財団, 研究開発部, 専任研究員 (80281591)
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Keywords | オルゴール / 高周波成分 / ゆらぎ構造 / 最適聴取音量 / 行動的反応 / ハイパーソニック・エフェクト |
Research Abstract |
ヒーリング・オルゴール試作機の演奏音について、高速標本化1ビット方式による超広帯域ディジタル録音を行い、高速フーリエ解析による周波数パワースペクトルの分析を行った。また、最大エントロピー法を応用した解析手法によって、広帯域における時間的な変化を調べた。その結果、ヒーリング・オルゴール試作機の演奏音には、時間的にミクロなゆらぎ構造を伴う50kHz以上に及ぶ可聴域上限をこえる高周波成分が豊富に含まれることを見いだした。 次に、ヒーリング・オルゴール演奏音の超広帯域録音物を呈示試料として、非定常なゆらぎをともなう高周波成分を豊富に含む音(FRS)と、そこから22kHz以上の高周波を除いた音(HCS)とを被験者に呈示し、それぞれの音について、最適聴取音量を調整する行動学的評価実験を行った。その結果、高周波成分を豊富に含むFRSは、その高周波成分を除いたHCSよりも大きな音量で聴取されるという行動的反応が、統計的有意に導かれた。あわせて行った質問紙調査による心理的評価では、被験者は音が快適であり、耳障りでない音量に調整していたことが示された。さらに、FRSをHCSよりも大きな音量で聴取するという行動的反応が、何らかの原因でFRSがHCSよりも小さな音として知覚されているのではないかという作業仮説の成立可能性を検証するため、FRSとHCSとについて、主観的に同じと聴こえる音量(主観的等価値)を求める知覚実験を行った。その結果、FRSとHCSとの主観的等価値の間に明瞭な差はみられなかった。以上の検討から、FRSをHCSよりも大きな音量で聴くという行動的反応には、FRSはHCSよりも人間の心身にとって適合性・親和性が高いという先行研究による知見(ハイパーソニック・エフェクト;大橋ら)が関与している可能性が高いと考えられる。
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[Publications] 八木玲子,中村敏枝 ほか: "ハイパーソニック・サウンドの刺激受容行動について"日本音響学会2001年春季研究発表会講演論文集. 497-498 (2001)
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[Publications] 仁科エミ,八木玲子 ほか: "ハイパーソニック・サウンドの構造について"日本音響学会2001年春季研究発表会講演論文集. 493-494 (2001)
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[Publications] 八木玲子,河合徳枝 ほか: "ハイパーソニック・エフェクトの適意レベルによる評価"日本音響学会2000年春季研究発表会講演論文集. 459-460 (2000)
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[Publications] 本田学,八木玲子 ほか: "新世代オーディオ技術の評価ハイパーソニック・エフェクトについて"日本音響学会2000年春季研究発表会講演論文集. 451-452 (2000)
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[Publications] 大橋力,八木玲子 ほか: "ハイパーソニックエフェクト可聴域上限をこえる高周波の生理的心理的効果について"電子情報通信学会技術研究報告、第2回ハイディフィニションオーディオ研究会資料. HDA00-2. 8-15 (2000)