2001 Fiscal Year Annual Research Report

手話能力評価に関する基礎的研究

Research Project

Project/Area Number	12710055
Research Institution	Kanazawa University
Principal Investigator	武居渡金沢大学, 教育学部, 講師 (70322112)
Keywords	手話 / 聾児 / 評価 / テストバッテリー / ろう教育
Research Abstract	1.手話能力評価に関する文献的考察わが国においてもろう教育の中に手話が積極的に取り入れられている現在、子どもの手話能力を評価するテストバッテリーが全くないだけでなく、手話の中のどのような尺度が手話能力を反映しているのかについても、全く明らかになっていない。そこで手話がろう教育の中で積極的に取り入れられているアメリカや北欧で行われた手話評価に関する研究やテストバッテリーについて文献を調査し、その成果を金沢大学教育学部紀要にまとめた。 2.聾児の手話獲得から得られた知見手話言語環境にある聾児の手話言語獲得過程について縦断的に調査をした結果、初語や2語文の出現時期、文法事項の獲得、誤用の仕方など手話言語と音声言語の獲得過程はきわめて類似していることが明らかになった。そこで、音声言語の枠組みを手話能力評価に使用することができることが示唆された。すなわち、音声言語で言う音韻、形態、統語、語用の枠組みで手話評価項目を作成することができると考えられた。研究の成果は、発達心理学研究、Japanese Journal of Special Education、Developmental Scienceなどで発表された。 3.成人聾者の手話表現から検出された評価尺度聞き手を聾者あるいは聴者に設定したときの成人聾者の手話表現についてどのように違いが出るかについて分析を行った。その結果、日本語に翻訳しにくい手話独特の語彙の使用、CL表現の使用、修辞疑問文の使用など、聾者が聞き手の場合に頻繁に出現する事項がいくつか挙げられた。これらの事項は、日本手話独特の文法事項であり、これらの表現を正しく理解したり表現できたりできるかどうかは、日本手話の能力を反映していると考えられ、これらの尺度とした手話能力評価テストバッテリーが作成できるものと考えられた。本研究で得られた知見を踏まえて、今後手話能力評価テストバツテリーの試作につなげていきたい。

Research Products
(9 results)

All Other

All Publications (9 results)

[Publications] 武居渡, 鳥越隆士, 四日市章: "聾児の手話言語獲得過程における非指示ジェスチャーの役割"発達心理学研究. 11(1). 12-22 (2000)
[Publications] TAKEI, Wataru: "How do deaf infants attain first signs ?"Developmental Science. 4(1). 71-78 (2001)
[Publications] 武居渡: "手話能力評価に必要な尺度に関する文献的考察"金沢大学教育学部紀要教育科学編. 50. 1-10 (2001)
[Publications] TAKEI Wataru, TORIGOE Takashi: "The Role of pointing gestures in the acquistion of Japanese Sign Language"The Japanese Journal of Special Education. 38(6). 51-63 (2001)
[Publications] TORIGOE Takashi, TAKEI Wataru: "A descriptive analysis of early word combinations in deaf childrens signed utterances"Japanese Psychological Research. 43(3). 156-161 (2001)
[Publications] 武居渡: "手話言語環境にある聾児が表出した2語文における指さしの役割"日本手話学会第26回大会予稿集. 54-55 (2000)
[Publications] TAKEI Wataru: "Acduisition process of Japanese Sigh Language in Deaf Infants of Deaf Parents"19th International Congress on Education of the Deaf and 7th Asia-Pacific Congress on Deafness Abstract Book. 221-221 (2000)
[Publications] 武居渡, 鳥越隆士: "聾児における手話2語文表出過程"日本特殊教育学会第38回大会発表論文集. 235-235 (2000)
[Publications] 武居渡, 鳥越隆士: "手指及び音声モダリティにおける喃語表出"日本特殊教育学会第39回大会発表論文集. (CD-ROM版). (2001)

2001 Fiscal Year Annual Research Report

手話能力評価に関する基礎的研究

Principal Investigator

武居 渡 金沢大学, 教育学部, 講師 (70322112)

Research Products

[Publications] 武居渡, 鳥越隆士, 四日市章: "聾児の手話言語獲得過程における非指示ジェスチャーの役割"発達心理学研究. 11(1). 12-22 (2000)

[Publications] TAKEI, Wataru: "How do deaf infants attain first signs ?"Developmental Science. 4(1). 71-78 (2001)

[Publications] 武居 渡: "手話能力評価に必要な尺度に関する文献的考察"金沢大学教育学部紀要教育科学編. 50. 1-10 (2001)

[Publications] TAKEI Wataru, TORIGOE Takashi: "The Role of pointing gestures in the acquistion of Japanese Sign Language"The Japanese Journal of Special Education. 38(6). 51-63 (2001)

[Publications] TORIGOE Takashi, TAKEI Wataru: "A descriptive analysis of early word combinations in deaf childrens signed utterances"Japanese Psychological Research. 43(3). 156-161 (2001)

[Publications] 武居 渡: "手話言語環境にある聾児が表出した2語文における指さしの役割"日本手話学会第26回大会予稿集. 54-55 (2000)

[Publications] TAKEI Wataru: "Acduisition process of Japanese Sigh Language in Deaf Infants of Deaf Parents"19th International Congress on Education of the Deaf and 7th Asia-Pacific Congress on Deafness Abstract Book. 221-221 (2000)

[Publications] 武居 渡, 鳥越 隆士: "聾児における手話2語文表出過程"日本特殊教育学会第38回大会発表論文集. 235-235 (2000)

[Publications] 武居 渡, 鳥越 隆士: "手指及び音声モダリティにおける喃語表出"日本特殊教育学会第39回大会発表論文集. (CD-ROM版). (2001)

武居渡金沢大学, 教育学部, 講師 (70322112)

[Publications] 武居渡: "手話能力評価に必要な尺度に関する文献的考察"金沢大学教育学部紀要教育科学編. 50. 1-10 (2001)

[Publications] 武居渡: "手話言語環境にある聾児が表出した2語文における指さしの役割"日本手話学会第26回大会予稿集. 54-55 (2000)

[Publications] 武居渡, 鳥越隆士: "聾児における手話2語文表出過程"日本特殊教育学会第38回大会発表論文集. 235-235 (2000)

[Publications] 武居渡, 鳥越隆士: "手指及び音声モダリティにおける喃語表出"日本特殊教育学会第39回大会発表論文集. (CD-ROM版). (2001)