2000 Fiscal Year Annual Research Report
日本人における自己呈示とその内在化過程の実験的検討
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12710069
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
沼崎 誠 東京都立大学, 人文学部 心理・教育学科, 講師 (10228273)
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Keywords | 自己呈示 / 自己呈示の内在化 / 自己評価(自尊心) / 自己概念 / 想定する受け手 / 内在化の3過程モデル |
Research Abstract |
本研究は,自己呈示が呈示者の自己概念に及ぼす影響過程(自己呈示の内在化の過程)を,段階を追ってデータを取り精細に検討することにより,その過程をより明細に検討することを目的としている 平成12年度においては,段階を追ってデータを取り精細に検討するためのデータ収集として,自己呈示の内在化に関する実験を行った.独立変数として,(1)自己呈示のスタイル(高揚的自己呈示(自分の能力を高く主張する)vs抑制的自己呈示(自分を控えめに主張する))と(2)想定させる呈示観察者(他人(同年齢の見知らぬ人)vs友人(同年齢の友人))と(3)呈示スタイルと自己評価の一致(一致vs不一致)を操作した.測度として,(1)事前の自己能力評価,(2)面接時の自己呈示行動(ビデオ撮影),(3)想定させる呈示観察者の反応の予測,(4)事後の自己能力評価を測定した. (4)事後の自己能力評価に対して,(1)事前の自己能力評価を共変量にいれた共分散分析を行ったところ,3要因の交互作用効果が見られ,一致群では他人群と友人群の間に差が見られなかったが,不一致群では他人群と友人群の間のパターンに差が見られ,不一致他人群は不一致友人群に比べ内在化が強かった.この結果は,著者の内在化の3過程モデルが提唱する,想定する受け手の反応を媒介とする過程からの予測を支持するものであった. 現在,(2)面接時の自己呈示行動に関して,面接時のビデオを,映像と音声を分けて録画/録音をし直し,音声に関してはスクリプトに落とし,映像データに関しては,ノンバーバル行動についてビデオ起こしを行いコード化している.これらは来年度に行う予定の実験材料となるものである.また,先の結果((1)から(4)への変化)がどのような過程で生じているかについて,(2)の段階で得られたデータのコード化した指標と,(3)の段階で得られたデータを媒介変数とした分析を行う予定である.
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