2001 Fiscal Year Annual Research Report
北海道の少子高齢化および過疎化のインパクトと住民の生活構造
Project/Area Number |
12710110
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
野沢 肇 東京理科大学, 基礎工学部・長万部教養, 助教授 (70256676)
|
Keywords | 少子化 / 高齢化 / 過疎 / 地域社会 / 生活構造 |
Research Abstract |
「北海道の地域社会の少子高齢化および過疎化のインパクトと住民の生活構造」というテーマで、平成13年度は次のような研究を行った。 1.資料の収集・整理 少子高齢化・過疎化をキーワードに、さまざまな資料を検討したり、自治体職員に聞き取りを行った。その結果、北海道の地域社会でも、少子化対策、高齢化対策については、全国水準とほぼ同じように行われている印象を得た。これは、全国レベルで展開されてきたエンゼルプラン、介護保険制度の影響だと思われる。ところが、過疎対策についていえば、近年、議論の質が若干変化してきた。すなわち、従来の「まちおこし」、「まちづくり」、「地域活性化」という言葉で語られてきた地域社会の生活の質を向上させたり、住民の地域社会への愛着を高める方向から、全国レベルで議論されている「自治体合併」という語で語られるように、地域社会生活の水準の維持、あるいは自治体自体の存続・生き残りという方向に議論が傾いてきているのである。このことは、「まちおこし」パラダイムによって強化された地域社会システムが、現在、急にゆらいでいることを物語る。 2.アンケート調査 北海道の過疎地域である長万部町(高齢化率27.9%)と、非過疎地域である八雲町(高齢化率19.1%)の2つの自治体住民を対象にアンケート調査を行った(数値は2000年「国勢調査」)。サンプリングは、無作為抽出法で、選挙人名薄から、長万部町400名、八雲町500名をそれぞれ対象者として選び、郵送法で行った。内容は、地域社会の生活構造に関する項目である。このアンケートの分析には、もう少し時間がかかる予定である。 なお以上の研究は、『東京理科大学紀要』にて報告する予定である。 本研究の成果は、科研費補助金で購入させていただいた機器備品であるサーバー・マシンにより、インターネットでも公開する予定である。
|