2000 Fiscal Year Annual Research Report
生活圏拡大とコミュニティ再編過程に起因するコンフリクトの実証的研究
Project/Area Number |
12710113
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
田嶋 和久 立正大学, 文学部・社会学科, 講師 (80216960)
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Keywords | コミュニティ / アソシエーション / コンフリクト / ロードサイト型 / 変動 / 商圏規模 |
Research Abstract |
研究に際し、伝統的コミュニティの再編と、個々のライフスタイルに基づき形成されたアソシエーションとのコンフリクトを地域社会の抱える今日的問題として設定をした。この問題はロードサイド型の消費地が形成されることにより、地域住民の生活圏が拡大しているという現況を前提とするものであった。こうした現況の妥当性を確固なものとするために、各地における中核都市およびその周辺地域の商圏動向に関する資料を収集し分析を行った。その結果、全体社会レベルでは問題化され得ていないが、各地域(市町村)レベルではロードサイド型消費地の展開が、地域社会の変動とそれに起因するコンフリクトを促していることを確認することができた。 こうした変動は、当該地域社会が広域型商圏を形成する中核都市に対して、いかなる物理的・空間的距離を有するか、当該地域社会の旧来からの商圏規模によって、問題化の度合いが異なるものといえる。その意味においては、東京周辺部および首都圏外延部において問題化されていると考えられる。 この変動への対処は、住民利害に直接的に関わる問題が存する地域では容易だが、住民間の利害関心が拡散している場合、それが非常に困難であることが、山梨県大月市において実施した調査から得られた。 今後は、商圏規模のカテゴリー化、カテゴリー化された各商圏における変動とコンフリクトの普遍性を持った傾向の抽出、および両者の相関関係についての理論モデルの構築。さらに、コンフリクトの度合いを極小化しつつ、コミュニティとアソシエーションの共棲可能な方途を探る。
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[Publications] 田嶋和久: "消費行動としての余暇の変遷-商品化された余暇と社会参加としての余暇-"立正大学人文科学研究所年報. 37. 52-60 (2000)
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[Publications] 田嶋和久: "決断契機としての「価値自由」"立正大学文学部論叢. 106. 169-181 (1997)
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[Publications] 田嶋和久: "マックス・ウェードーの政治社会学的思惟における「国家社会学」の位置づけ"立正大学文学部研究紀要. 14. 19-33 (1997)
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[Publications] 田嶋和久: "リゾート開発と「余暇意識」の変遷"立正大学文学部論叢. 99. 21-48 (1994)
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[Publications] 田嶋和久: "ウェーバー政治論における「指導者民主主義」構想の変遷"立正大学人文科学研究所年報. 30. 22-33 (1992)
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[Publications] 田嶋和久: "実定法におけるEntscheidungの位置"立正大学文学部論叢. 95. 17-33 (1992)
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[Publications] 板橋真木子,田嶋和久,堀圭三,宮島直丈: "社会学とモデルネ"高文堂出版. 84 (1998)
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[Publications] 高木豊,望月哲也(31): "宗教と社会生活の詣相"隆文館. 719 (1998)