2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12710120
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Research Institution | Shikoku Gakuin University |
Principal Investigator |
孫 良 四国学院大学, 社会学部, 助教授 (90299355)
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Keywords | 介護家族 / 生活の質 / 生活支援 / コミュニティケア / ホームヘルプサービス |
Research Abstract |
「介護家族(要介護者と家族介護者を含む)の生活の質」と社会的背景(家族成員以外の介護者、地域及び福祉サービス)との関係を明らかにする理論的枠組み・モデルを構築することが、本研究の目的である。その目的を達成するために、先ず、利用者の自宅を訪問し、援助を行うホームヘルプサービスが、家族介護者と要介護者の生活の質にどのような影響を与えているのかを検討した。関西地域在住の10世帯のホームヘルプサービス利用者とその家族に自由面接法を用いて質的調査を行ったが、調査対象者である要介護高齢者の虚弱化、コミュニケーション能力の低下により、必要な情報を収集できず、要介護高齢者に対する面接調査の困難性を感じさせられた。(現在、要介護高齢者に対する調査法の検討をしながら、調査を実施中。) 以上の理由により、6月からは家族介護者のみの面接内容をグラウンデッド・セオリー・アプローチ(GT法)でオープンコーディングし、概念生成を試み、「ホームヘルプサービスが要介護者と家族に与える影響」に関する理論的モデルを作成した。また、それに基づいて、家族介護者と要介護者の生活の質を高め、「自律」を促進できる生活支援のあり方、ホームヘルプサービスの機能と役割を考察してみた。その中間報告を日本老年社会科学会第42回大会で発表し、様々な指摘や意見をいただいた。来年度は調査対象者の数を増やし、ホームヘルパーの面接調査も加えて、モデルの細緻化と修正を行っていきたい。 以上の調査以外に、理論的モデルを充実させるために、「生活の質」、「ケア(Care)」、「高齢者と家族」、イギリスの「コミュニティケア」等に関する文献をレビューした。また、「生活支援」の概念を明らかにするために、パイロット調査も行った。
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