2001 Fiscal Year Annual Research Report
教師の「子ども理解」規範を効果的に活用する学校組織に関する研究
Project/Area Number |
12710140
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
安藤 知子 上越教育大学, 学校教育学部, 助手 (70303196)
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Keywords | 子ども理解規範 / 自律的学校経営 / 教職役割 / 教職アイデンテイテイ / 学校の組織的環境 |
Research Abstract |
本年度は、前年度に引き続き解明すべき課題の(2)の実施・分析・考察、および(3)の事例分析を実施することを目標とした。 (2)については、前年度に十分実施できなかった実践者のドキュメント分析や聞き取り調査を行い、子ども理解規範の類型を測定するために具体的にはどのような質問項目が必要であるかを検討し、質問紙を作成した。質問紙調査の実施は平成14年2月になってしまったが、現在分析・考察に取り組んでいる。〔調査実施方法:全国の小・中学校対象、無作為抽出で416校に配布、各学校で4名の教員(合計1664名分)に回答を依頼した。回収数:605名(回収率:36.35%)〕 また、(3)については、当初質問紙調査への回答者からパイロットケースを抽出し、学校組織内での教員の役割配分や組織体制づくり、教員集団の意識変革などへの取り組みについて、回答者教員を含めて複数の教員からの聞き取り調査を行う予定であった。しかし、回答者が特定されるような質問紙調査の実施は、全国無作為抽出による調査の方法になじまないため、方法を変更し、特色ある学校づくりに取り組んでいる学校を平成11年、12年の教育雑誌の記事索引から抽出して小学校4校、中学校4校に聞き取り調査を依頼し、実施した。 以上の取り組みから得られた成果は、以下の諸点である。 (1)質問紙調査の結果からは、「子どもとの同調性尺度」の高低と、「学校組織へのコミットメント尺度」の高低を2軸とする子ども理解規範のタイプが4つ存在すること、それらのタイプと近年の様々な自律的学校経営を実現するための制度改善などの諸論議に対する評価や、メンタル・ヘルスに関する自己評価との間には関連性が窺われることなどが明らかになった。 (2)聞き取り調査からは、若い教員は「子どもとの同調性」への関心が高く、なおかつ学校全体での組織的活動に関しては自分が不案内であることを意識している傾向にあり、この2つの傾向を受容する先輩教員の支援と明確な指示がある場合に、意欲的に取り組み、必要な力量を獲得できたと感じていることが見出された。 (3)また、聞き取り調査では、特色づくりの中心的立場に立つ校長・教頭や教員は、学校の条件によって積極的にリーダーシップを取りながら環境を変えていく方が良い場合と、個々の教職員の意識変革を促しながらゆっくりと環境を変える方が良い場合とを見分けつつ自らの行動方針を決定していることが明らかになった。 質問紙調査については、まだ十分な統計処理を行っていないので、引き続き検討を継続する予定である。また質問紙調査と聞き取り調査双方の分析・考察を踏まえた学校経営組織の在り方について、試案を作成することが課題として残されている。この点にっいては、14年度に研究成果の発表を行う予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 安藤 知子: "教師像の転換を受容する学校経営の展望-実践記録「のら犬、学校をかえる」を手がかりとして-"教育経営研究. 第7号. 5-17 (2001)
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[Publications] 安藤 知子: "子ども理解規範の概念枠組み設定の試み-学校組織における教職役割との関係から-"上越教育大学研究紀要. 第21巻第1号. 95-106 (2001)
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[Publications] 安藤 知子: "教職アイデンテイテイ組み替えの課題(特集 教職像の再構築)"学校経営研究(大塚学校経営研究会). 第27号(未定). (2002)