2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12710219
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Research Institution | Otani Womens University |
Principal Investigator |
犬木 努 大谷女子大学, 文学部, 専任講師 (40270417)
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Keywords | 埴輪 / 生産 / 古墳 |
Research Abstract |
本年度は主に、関東、近畿、南九州地方の各地域で出土した埴輪資料の実地調査を行った。 関東地方においては、これまでの研究成果に基づいて、いわゆる下総型埴輪の悉皆調査を継続した。とくに、千葉県印旙郡印旙町西の原1号墳出土の円筒埴輪・人物埴輪および、同印旙町大木台2号墳出土円筒埴輪・人物埴輪の資料調査をほぼ完了した。それぞれ資料観察、調書作成、写真撮影を行い、現在、それらの調査記録の整理作業や、写真資料の整理作業をすすめているところであるが、ほぼ分類試案を得ており、来年度にも概要をまとめたいと考えている。結論的には、他の下総型埴輪出土古墳で見られたような類型(各工人に対応する分類単位)が見出されており、また各工人の製作本数が不均等である点も共通している。 この他、近畿地方の円筒埴輪、とくに前期古墳出土の埴輪の実地調査を行うとともに、宮崎県西都原169号墳出土埴輪の資料整理を行った。西都原169号墳については、平成12年8月に、宮崎県教育委員会と大谷女子大学が共同調査を行ったものであるが、その資料は大谷女子大学において鋭意整理中である。畿内の埴輪工人が製作に関与しているものと思われ、来年度においては、畿内中枢部における関連資料の調査を行う予定である。 また上記のような作業と並行して、埴輪関連資料の文献調査も実施した。 来年度には、本年度の上記資料調査の結果を踏まえて、より詳細な実地資料調査を継続したい。その過程で、関東地方・近畿地方・南九州地方における埴輪生産の時期別変遷とその画期、そして地域的特徴についても明らかにできると考えている。
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