2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12720033
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
植松 真生 香川大学, 法学部, 助教授 (00294744)
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Keywords | 国際私法 / 家族法 / 親子関係 / 嫡出子 / 非嫡出子 / 国際家族法 |
Research Abstract |
平成12年度における研究においては、文献を通じた問題の検討を行い、その上でイギリス、ベルギー、ドイツおよびイタリアにおける実体調査を行った。周知のように、かつて実親子関係を嫡出子および非嫡出子とに分けていた法制もこの区別を実質法および抵触法の双方において廃止する傾向にあると言える。わが国は実質法および抵触法の双方においてこの区別をなお維持している。法例17条?19条の規定をいかに解釈・運用すべきか問われなければならないことがまず再確認された。換言すると、本研究課題、国際私法の総論的課題たる、いわゆる法律関係の性質決定の観点からの解決の必要性を再認識した。性質決定をいかに行うかについて、明確な解答が与えられているわけではない。平成13年度の研究はこのような総論的なアプローチから問題解決の指針を得ることを第一次的な目的とする。もっとも、多くの場合に法例の当該規定の解釈・運用につき最初に直面する国家機関は戸籍官庁と考えられる。この官庁の職員には実質的な審査権限が与えられていない。そのため、簡明かつ明確なルールの提示が必要となる。理論および実務の双方を満足させるような解決策を最終的には提示したい。 具体的には、以下の問題を検討し、解決策を提示したい。 1.法律関係の性質決定に関する従来の見解の問題。より具体的には、それぞれの見解の本質的な差異はいかなる点にあるのか?これらの見解をいわゆる選択的連結を採用している国際私法の規定に当てはめた場合に、どのような問題が発生し得るか? 2.わが法例の実親子関係成立に関する規定における嫡出子・非嫡出子の概念の差異はいかなる点に存するのか?あるいは、差異を設けない解釈の必要性・許容性は存在するのか? 3.上記2つの問題の解決策が実務の要請に応え得るものか? 獲得された成果は香川法学に公表する予定である。
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Research Products
(1 results)