2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12720046
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
佐川 泰弘 茨城大学, 人文学部, 助教授 (50311585)
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Keywords | EU / フランス / 中央-地方関係 / 政策過程 |
Research Abstract |
「研究実施計画」では、本年度の研究を、(1)「フランスの中央および地方での政治・行政エリートの支配構造およびエリートの戦略分析」、(2)「EU、国家、サブナショナル・レベル間での政策過程分析」の2つの側面から行うとしていた。 (1)についていえば、研究成果を発表する段階には至らなかったが、各種選挙後に候補者名簿や当選者名簿を入手しており、兼職の度合いについて間もなく分析を開始する予定である。また、現政府は兼職の一層の制限の方向に向かっていることは事実であり、それが法制化されていく可能性もあるため、その動向を引き続き注意深く観察していく。 結果として、今年度の研究の中心になったのは(2)についてである。まず今次補助金を受ける前から準備を開始していた論文「国際行政におけるアクターの多様化」(裏面記載の『グローバリゼーションの現在』所収)を発表し、グローバリゼーションや欧州統合と並行して、地方自治体としてのリージョンがヨーロッパという空間で、競争・協力しながら、ヨーロッパ政策過程に参入していっている現状を概観した。 その後、欧州統合が進展するのに対応し、フランス行政機構がいかに変化したのか、欧州公共政策過程にフランスの中央政府がいかに関与しているのかを明らかにする論文を来年度初秋に公刊するために準備中である。また、フランスには国-地域圏間に「計画契約」という方式を用いた公共政策推進の枠組みがあるが、この状況とそこへのEUの政治的・行政的関与についての研究も進めており、一定の結論を持って、来5月の日本行政学会で研究報告を行う予定である。
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