2000 Fiscal Year Annual Research Report
公職選挙法改正が投票参加に与える影響についての実証的研究
Project/Area Number |
12720056
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
品田 裕 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10226136)
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Keywords | 投票時間 / 投票率 / 公職選挙法 / 不在者投票 / 政治参加 |
Research Abstract |
初年度は(1)各種データの収集・整備、(2)分析(主に投票時間の延長効果について)を行う予定であった。(1)のうち、集計データについては、法改正前後の主要選挙について三回程度分のデータを整備することを目的とし、都道府県選挙管理委員会または国会図書館で時間別投票率や事由別不在者投票数など関連資料を収集した。またこれに対応し各市区町村の有権者の生活を示す社会経済統計、具体的には産業別・年代別人口、商業・サービス業の様態、動産所有状況、などの入手も進めている。調査データについては衆議院総選挙についてのアンケート調査を行うことを目標としていたが、残念ながら、抽出による一般有権者を対象とすることが適わず、関西地域において複数の大学法学部の学生に対し調査を試みた(一部、その親を含む)。これについては簡単な報告書を現在印刷中である。不在者投票者や延長時間帯投票者についての出口調査については文献を調べただけで、今後の課題である。(2)については、まだ本格的に行う段階には至っていないが、投票時間の延長がどのような人の投票参加に影響があったかを簡単な生態推定の手法を用いて実証的に分析してみた。その結果、午前中に投票に行く傾向の強い老人、第一・二次産業従事者、非都市部居住者に対し、時間延長は若者、第三次産業従事者、都市部居住者(これらの属性を持つものは元来、出足が遅く棄権も多い)に効果が有ったようである。これは都市部を中心に生活が多様化した故と考えられる。同様の傾向はアンケート調査でも見られるように思われる。来年度は、現在不完全なデータをひきつづき整備し、その完成を目指すとともに、分析作業に本格的に取り組みたい。その際には、内外の政治参加や投票行動に関する諸研究との理論的関係に十分に注意を払い、また集計データについて生態推定に関する統計学・政治学に関する先端的研究を応用できるようにしたいと考えている。
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Research Products
(1 results)