2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12730040
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
柴田 淳 大阪市立大学, 経済学部, 助教授 (50281267)
|
Keywords | 情報化 / SPA / 流通 |
Research Abstract |
本年度は、情報技術の発達による企業間での情報共有化がもたらす、企業間契約の変化についての研究をめざした。基本的に、流通・アパレル製造業を対象とし、そこにおける情報化が、製造・販売にどのような変化をもたらしているのかについての調査・研究を行った。 まず、こうした情報化の先進地である米国において、調査を行った。具体的には、ニューヨークとサンフランシスコにおいて、企画・製造・販売のすべてを垂直統合している企業(SPA)と、おもに販売に専念している百貨店を対象にして、それぞれの販売戦略の違いや、その動向について、現地ジェトロ事務所の協力を得て、ヒアリングを行った。そこから得られた結果としては、米国においては、SPAでも百貨店でも、かなり明確な顧客プロファイルをもち、それにあわせた商品構成・販売戦略を行っていることである。 SPAは、顧客プロファイルにあわせた複数のブランドを立ち上げて、それぞれに販売戦略を行っている。ブランドのコンセプトにあわせた店舗運営を行うことで、差別化を行うとともに、企画・製造においては企業内で緊密な情報共有を行うことで製造ロスの最小化を行っている。さらに、全米に店舗展開を行うことで、チェーンオペレーションのメリットを最大限享受している。しかし、その一方で、GAPグループの凋落にみられるように、消費者の変化にいったん遅れると、効率的な販売・製造システムも、巨大な在庫を生み出す仕組みと化してしまう。それと入れ替わるように伸びているモナコ・クラブ、H&Mも、基本的な仕組みとしてはこれまでと同様とされる。 百貨店においても、顧客プロファイル(基本的に所得)にあわせた店舗経営を行っている。アパレルメーカーと間で情報共有化を行うことで、販売ロスの最小化をおこなっている。
|