2000 Fiscal Year Annual Research Report
情報関連財における効果的な地域普及促進戦略の理論的研究-ネットワーク外部性、地理的要因、習熟要因の観点から-
Project/Area Number |
12730078
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
岡本 隆 愛媛大学, 法文学部, 講師 (50314943)
|
Keywords | ネットワーク外部性 / 地理的要因 / 習熟 / 情報関連財 / 普及促進戦略 |
Research Abstract |
1.先行研究を整理することにより、クリティカルマスの存在、ロックイン現象、過剰慣性をはじめとする情報関連財特有の普及特性とネットワーク外部性との関連が明確になり、普及促進戦略としての互換戦略の重要性が明らかになった。またArthur(1989)の指摘する収穫逓増現象とネットワーク外部性が本質的に同じであり、Arthurのモデルを基本として情報関連財市場の分析モデルを構築できることがわかった。 2.情報関連財の普及動向には、ネットワーク外部性が影響をおよぼすことは従来から指摘されていたが、それだけではなく、消費者の習熟、利用者の地理的分布も考慮すべき重要な要因であることを明らかにした。これまでネットワーク外部性と消費者の習熟要因は混同されることが多かったが、両者は分離して考察すべき要因であることを示した。 3.上記3要因を統合した情報関連財市場の概念モデルを提案し、当該財の普及を考察するための経済モデル構築の方向を示した。すなわち、消費者個人の内的変化ともいえる習熟の程度は時間的要因として、消費者間の相互依存関係であるネットワーク外部性は空間的要因としてモデル化できる。さらに空間的要因は消費者間の影響の強弱を距離に置き換えた地理的要因を内在させることにより3要因統合モデルを構築できる。 4.最も基本的な部分のみのプログラムを作成したにすぎないが、ネットワーク外部性と地理的要因を加味した経済モデルを元に、コンピュータ・シミュレーションのプロトタイプを作成した。これにより、情報関連財配布の戦略比較が可能となる。
|
Research Products
(1 results)