2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12730102
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Research Institution | Nagoya University of Commerce & Business |
Principal Investigator |
島 吉伸 名古屋商科大学, 商学部, 講師 (20319239)
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Keywords | 小集団活動 / 管理会計システム / マネジメント・コントロール / チーム |
Research Abstract |
本研究では、小集団組織に適合する管理会計システムについて調査・分析することを目的としている。小集団組織とは、環境変化にすばやく柔軟に対応するために、既存組織の枠にとらわれず、現場レベル及びクロス・ファンクショナルな小集団を柔軟に構築し、組織成員の能力の積極活用をはかる組織のことである。 そのために、本年度では、主として(1)小集団組織および管理会計システムの役割に関する文献レビューと分析モデルの確立、(2)企業における実際の小集団活動のケース分析を行った。 まず、(1)については、継続的な文献レビューと分析モデルの修正を行った。そして、会計システムの導入と組織成員の知覚や行為の変化を説明する概念として、アカウンタビリティの概念を分析モデルに導入した。このことにより、分析モデルの説明能力は高まったと考えている。これらの成果は、4月の学会で発表予定である。 次に、(2)については、セル型生産システムの運用について、ある素材部品メーカーのインタビュー調査を現在行っている段階である。この調査はまだ終了していない。そこでは、会計情報を利用して現場レベルの各セルが利益管理を行い、品質面やコスト削減に大きな効果を発揮している状況が観察できた。管理会計システムの適用により、組織成員の意識や知覚が変容され、品質意識やコスト意識が醸成される状況が把握された。さらなる分析及び論文の作成は今後の調査を待たなくてはならないが、現時点ではこのケースを理論モデルに当てはめて分析可能であると考えている。これらの成果は、9月の学会において発表予定である。
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