2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12740002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
黒木 玄 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10234593)
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Keywords | 共形場理論 / Wess-Zumino-Wittenn / 量子可積分系 / Gaudin-Calogero / Bethe Ansatz / 楕円曲線 / リー代数 / 表現論 |
Research Abstract |
共形場理論と量子可積分系の表現論的研究を行なった。楕円曲線上の臨界レベルのヴェス・ズミノ・ウィッテン(WZW)模型のボゾン化を考えることによって、カロジェロ・ゴーダン模型と呼ばれる量子可積分系の代数的ベーテ仮設法によるベーテ・ベクターが構成できることを証明した。この文脈における代数的ベーテ仮設法は数論における代数体に関するラングランズ・プログラムのコンパクト・リーマン面に関する類似に関係している。我々は関連の仕事を楕円曲線の場合に行なった。興味深いことは不思議なことに脇本表現と呼ばれるアフィン・リー環のホゾン化を用いた共形場理論の伝統的な方法によって結果が証明されていることである。その後は以下のような立場で研究を行った。我々が臨界レベルのWZW模型という立場で扱った量子可積分系は楕円曲線上のヒッチン系と呼ばれる可積分系の量子化になっており、空間方向が離散的な1次元巡回格子であるような量子系のある種の極限に成っている。すなわち、我々が扱った量子可積分系はヒッチン系と格子模型の中間にあるとみなせる。そして、臨界レベルでないWZW模型におけるクニズィニク・ザモロドチコク(KZ)方程式は等モノドロミー保存変形を記述しているシュレージンガー系の量子化になっており、空間方向を1次元巡回格子に離散化した模型に関係したq-KZ方程式のある種の極限になっている。このことに気付けば現在研究されている様々な可積分系(古典、量子、離散)の統一理論が存在しそうなことがわかる。そのような視点はこれから重要になると思われる。
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Research Products
(1 results)