Research Abstract |
起平面に含まれない,既約な射影曲線Xに対する,Castelnuovo-Mumfordregularity reg(X)は,Xの定義方程式,generic initial idealの生成元の次数,ヒルベルト関数などに関係する重要な不変量であり,今までreg(X)はd-r+2以下であることが,Gruson-Lazarsfeld-Peskinにより証明されていた。また、次数が十分に大きければ,reg(X)=eのとき,Xはe-secant lineを持つことが予想されていた。予想が正しいとすると,regularityの大きな曲線は,e-secant lineを中心とする射影をとることにより,種数が小さいであろうと予想される。本研究では,算術種数p.aと曲線を含む射影空間の次元r,さらにf:=min{p.a,r-2}とするとき,reg(X)はd-r+2-f以下であることを証明した。これにより直ちに,Xの定義方程式とgeneric initial idealは,(d-r+2-f)次以下で生成されることがわかった。これは,今まで知られていた結果を算術種数と射影次元により改善した形になっていて,例えば,r>3のとき,reg(X)=d-r+1となるものは,算術種数が1以下であることがわかる。さらに,regularityが上限となるようなXを調べることは,重要な問題である。実際,reg(X)=d-r+2を満たすような曲線は,非特異な有理曲線であり(d-r+2)-secant lineを持つことが示されていた。本研究では,これに引き続き,reg(X)=d-r+1となる有理曲線Xは,(d-r+1)-secant lineを持つことを証明した。
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