2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12740023
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
川添 充 大阪府立大学, 総合科学部, 講師 (10295735)
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Keywords | 楕円曲面 / 退化 |
Research Abstract |
本研究は、一般の楕円曲面の代数性と重複ファイバーの現れ方との関係を明確にすることが目標としているが、本年度は2つの方向からのアプローチを行い、次の結果を得た。 (1)本研究では、複素多様体の解析的な手術法である対数的変換と、W.Langの対数的変換の代数的類似物の理論との統合が研究遂行上大事となるが、そのためには、W.Langの理論の本来の対象である重複ファイバーを持つ正標数楕円曲面に関しての、より詳しい構造分析が必要となる。このような視点に基づき、一般の代数曲線上の正標数楕円曲面に関し、とくに扱いの難しい重複超特異楕円ファイバーの現れる場合の曲面の構造を詳しく分析することを試み、ある条件のもとでは重複超特異楕円ファイバーの重複度が標数の2乗以上の巾乗では割り切れないなどの興味深い結果を得た。 (2)複素解析的楕円曲面側からのアプローチとしては、j-不変量が定数でない場合へのステップとして、対数変換の複素構造への影響を扱いやすい形で表すことが重要となるが、これに関しては、FriedmanとMorganによるOgg,Shafarevichの理論の複素解析版におけるアイデアを吟味することにより、ある種のコホモロジー群のコサイクルとして捉えられることが見えてきた。これによって、対数変換と複素構造の密接な関係、とくに代数的となるかどうかについての対数的変換の視点からの判定法記述の可能性が見えてきたといえる。これについては、次年度の研究でより詳しいことが明らかになるであろう。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Mitsuru Kawazoe: "Multiple fibers on elliptic surfaces in positive characteristic"Journal of Mathematics of Kyoto University. 40-1. 185-201 (2000)
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[Publications] Mitsuru Kawazoe: "A note on purely inseparable morphisms from an elliptic ruled surface"Archiv der Mathematik. 75. 422-429 (2000)